資産運用の肝「資産配分(アセットアロケーション)の決め方」

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資産運用の肝「アセットアロケーションの決め方」

本記事は、インデックス投資家育成塾シリーズの記事となります。本記事単体でも、読むことができますので、ぜひご覧下さい。

本記事では、投資・資産運用の肝となる資産配分(アセットアロケーション)の決め方について説明します。前回の記事「家計のチェックと生活防衛金」では、資産運用に充てるお金を決めるところまでを説明しました。今回は、その決めたお金(運用資金)をどのような資産に、どのような割合で投資していくか?という点について説明します。

実は、この資産配分(英名:アセットアロケーション)が、運用成績の8割〜9割を決めるといわれている極めて重要な項目になります。

なお、資産配分を考える手間を省き(資産配分の管理は管理会社に任せる)、すぐに資産運用を行いたい方は、以下の記事をご参照ください。

手間を省き、簡単・最速で、インデックス投資を始める方法
手間のかからないインデックス投資であっても、資産配分(アセットアロケーション)やリバランスなど、負担や手間に感じることはあります...

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本記事の要旨(図解)

アセットアロケーションの決め方 まとめ図

アセットアロケーションが運用成績の約8割を決める!

前回の記事では運用資金額の決め方について紹介しました。ではその運用資金を使ってどのように投資すれば良いでしょうか?どのようなことに気をつければ、良い運用成績を残すことができるでしょうか?

運用成績は、主に以下にあげた3つで決まります。

  1. 銘柄選択
  2. 投資タイミング
  3. 資産配分(アセットアロケーション)

実は、この中で一番重要なものは、3番目にあげた資産配分(アセットアロケーション)です。アセットアロケーションが運用成績の約8割をで決める、ということは、運用の世界では一般的な考えとなっています。各国の年金基金運用組織やたくさんのファンド会社が調べた結果、運用成績は7割〜9割以上アセットアロケーションで決まるという研究結果を出しています。

つまり、我々が日々限られた時間で効率よく資産運用を行うためには、アセットアロケーションに時間を割くことが合理的であると結論できます。本記事では、アセットアロケーションとその組み方について、詳しく説明していきます。

インデックス投資家の基本アセットクラス

まずアセットという耳慣れない言葉の意味を説明します。アセットクラス(アセット)は資産の種類・分類のようなものです。例えば、

  • 国内債券
  • 国内株式
  • 外国債券
  • 外国株式

のような資産の種類です。我々インデックス投資家が、用いる代表的なアセットクラスは、この4つのクラスになります。

 
今後の実際の投資までの道筋は、以下のようになります。

  1. 資産配分(アセットアロケーション)を決定する。
  2. アセットアロケーションの比率毎に投資信託、ETFなどの金融商品を購入する。

アセットアロケーションを一度決めてしまえば、後はインデックスファンドやETFを比率に応じて買うだけ、ということになります。

金融商品に関しての詳細は、以下の記事をご参照ください。

投資対象、金融商品(株式、債券、インデックスファンド、ETF等)の選び方
インデックス投資家育成塾シリーズ、今回は「投資対象、金融商品(株式、債券、インデックスファンド、ETF)の選び方」です。前回の記事、...

「リスク」からアセットアロケーションを決めていく

アセットアロケーションの重要な目的は、リターンの安定性の向上を目指すことです。分散されたアセットクラスの組み合わせ比を調節し、資産全体としての値動きのばらつき(リスク)を抑えることが重要です。つまり我々個人投資家にとって最大の目標は、アセットアロケーションでリスクをコントロールすることです。

そのため、アセットアロケーションを決定する際、まず始めに自分のリスク許容量を決めましょう。

「リスク」に関して復習しておくと、投資における「リスク」とは、収益率のばらつきのことでした。例えば、100万円をリターン1%、リスク10%の金融商品に投資した場合、1年後の予想中心値101万円であり、標準偏差を考慮すると(68%の確率まで考慮すると)だいたい91〜111万円の範囲で、2倍の標準偏差(95%の確率)まで考慮すると、81〜121万円の範囲内に資産が推移することになります。

投資における「リスク」「リターン」を復習したい方はこちらをご参照ください。

投資における「リスク」「リターン」とは?
皆様は投資における「リスク」「リターン」の意味をご存知でしょうか?よく聞き慣れている言葉ですが、投資の世界で使われる意味は、...

平常時のリスクを考える目安としては、2倍の標準偏差まで考慮することです。2倍の標準偏差の値動きまで考慮すれば、リスクの約95%を考慮したことになります。この2倍の標準偏差まで考慮した際の最大損失率(上の例だと-19%)の許容範囲をまずは自分自身で決めてください。

この許容最大損失率には、普遍的な数字はありません。なぜなら、それはその人の、年齢・資産・ライフスタイル・家族構成・収入などによって変わるからです。例えば、前回の記事で述べたように、我々には人的資本があります。この人的資本は一般に若い方の方が大きいので、若い方はリスクを多く取ることが可能かもしれません。

このように、自分の最大損失金額の許容量を決めてから、アセットアロケーションの決定を始めます。

 
リスク計算を省き、インデックス投資を早速始めたい方は、以下の記事をご参照ください。

手間を省き、簡単・最速で、インデックス投資を始める方法
手間のかからないインデックス投資であっても、資産配分(アセットアロケーション)やリバランスなど、負担や手間に感じることはあります...

アセットクラス間の相関係数

許容できる最大損失率が決まったら、それをもとにアセットアロケーションを考えます。ここで一つ問題です。リスクが10%の二つのアセットクラスを組み合わせた場合、その組み合わせた資産のリスクは何%になるでしょうか?

実はこれを計算するに際、各アセットクラス同士の相関係数なるものが必要となります。相関係数というのは、各アセットクラスの値動きの関係性の度合いを表す量です。相関係数が1であれば、各アセットクラスは全く同じ動きをします。-1であれば逆の動き、0であれば値動きに関係性がないということを表します。

そして、アセットアロケーションを決定する際、この相関係数が重要な役割を果たします。下の図をご覧ください。左の図が、全く値動きが同じ(相関係数=1)アセットクラス(青点線と赤点線)を50%ずつ組み合わせたときのアセットアロケーション全体の値動き(黒線)です。それに対して右図は、値動きが反対(相関係数=-1)のアセットクラスを50%組み合わせたアセットアロケーション全体の値動き(黒線)です。

投資における相関係数の説明図

上図(右)のように値動きが逆のアセットクラスを組み合わせることで、資産全体の値動きが安定することが分かります。

このように、アセットアロケーションを考える際、値動きが違ったアセットクラスの組み合わせが重要となります。各アセットクラスのリターン、リスクと合わせてアセットクラス間の相関係数の確認も行いましょう。

実際の計算例

実際のアセットアロケーション作成例を紹介します。今回はシンプルに3つのアセットクラスを用いる場合にしてみましょう。

演習で感覚を掴むことを目標としますので、使うアセットクラスは、シンプルに「国内債券」「国内株式」「外国株式」の3つにしました。以下の表にまとめた、リターン・リスク・相関係数を用いて、国内債券40%、国内株式30%、海外株式30%の資産配分のリターン、およびリスクを計算します。

国内債券 国内株式 海外株式 リスク リターン 相関係数

以下の計算では、配分比r、リターンをR、リスクをσと表記しました。また、国内債券は国債、国内株式は国株、海外株式は外株と略してあります。例えば、国内債券リターンの場合、R(国債)と表記します。

まずはリターンの計算方法です。
 リターン[%] = R(国債)× r(国債)+ R(国株)× r(国株) +R(外株)× r(外株)となります。
 
 よって、
 = 3.0 × 0.4 + 4.8 × 0.3 + 5.0 × 0.3
 = 4.14 %
 となります。

次にリスクの計算です。リスクの計算は少々複雑ですが、以下のように書けます。リスクの二乗和に相関係数による補正項の付いた式です。小文字のcは相関係数を表し、c(国債、国株)の場合、国債と国株の相関係数を表します。

アセットアロケーションのリスク計算方法

となり、実際の計算は以下のようになります。

アセットアロケーションのリスク計算結果

以上より、国債40%、国株30%、外株30%の時のリターンは4.14%となり、リスクは12.23%となります。また、ここでの最大損失率は、起こる確率の95%を考慮して(リスクの2倍までを想定して)、

4.14 – 2・12.23 = -20.32 % (* 最高利益は 4.14 + 2・12.23 = 28.26%)

となります。

次に、さまざまな国債、国株、外株の比率によって算出したリスクとリターンを以下の図に表します。横軸がリスクで縦軸がリータンを表します。

アセットアロケーションの最適化

このような図を作ることで、どのような比率でアセットアロケーションを決定するのが効率的かがわかります。たとえば、右下の点(青丸で囲まれた点)は国債40%、国内株式60%、外国株式0%の際のリスクとリータンを表します。他の点と比べて、リスクが高い割にリターンが小さいことが分かります。

 
また、リスク許容量を13%程にするのであれば、他の点と比べて、リターンの高い緑の円で囲んだ点を選ぶと効率できだということが分かります。

効率的フロンティア

上の例のように、さまざまな組み合わせのリターンおよびリスクを計算することで、効率の良いアセットアロケーションを考えることが可能です。

以下の図をご覧ください。上の図と同様、さまざまな組み合わせ下のリスクとリターンの散布図です。

色の違いは、上から国内債券の比率が10%、20%、….、70%とそれぞれ固定したときの点です。(国内債券は固定し、国内株式と外国株式は比率を動かした。)

この散布図から分かることは、効率的な点が、それぞれ国内債券を固定したときの散布図の接戦(図中の黒線)になるということです。この黒線を効率的フロンティアと呼びます。アセットアロケーションのベストチョイスはこの効率的フロンティア上になります。

またこの図から重要なことがもう1つ分かります。リスクは下げたい場合、リスクが低く、他のアセットクラスとの相関係数が低い、日本国債の比率を動かすことが重要ということがわかります。つまりアセットアロケーションのポイントは国内債券の比率であることが分かります。

有効フロンティアの概略図

実際、厳密に効率的フロンティアからベストなアセットアロケーションを決定する際には、無リスク資産と図中の効率的フロンティアの接点などを決める必要があります。しかし、この効率的フロンティアを作る過程で使ったリターン、およびリスクは、過去のリターン、リスクを基にしています。過去のリスク(収益のばらつき)と将来のリスクは、ある程度近似できる点がありますが、将来のリターンに関しては、過去のリターンを使うというのは少し無理があります。

そのため、効率的フロンティアを計算したい方は、しっかりと計算してアセットアロケーションを決定していただいて良いのですが、そこまで神経質にならなくても大丈夫だと思います。

効率的フロンティアを学ぶためのおすすめ書籍:

  • 「現代ポートフォリオ理論講義」
    効率的フロンティアに関してはこちらに詳しく書かれています。簡単な算数の計算から無理なく難易度が上がって行きます。
    興味のある方は参考にしてみてください。

最低限リスク計算だけやる!

ここまで、アセットアロケーション決定のプロセスを紹介してきました。少し覚えることが多くて大変だったと思います。効率的フロンティアを追い求めるのもの始めは大変だと思います。

そこで、まずインデックス投資家の第一ステップとしては、「バランス型ファンド」と呼ばれるものを利用することをおすすめします。

バランス型ファンドとは、すでにそのファンド内で国内債券、国内株式、海外株式、海外債券がある一定の割合で入っているファンドのことをいいます。つまり、すでにアセットアロケーション決定済みのファンドです。そのため、初心者の方が始めてファンド購入する際におすすめです。アセットアロケーションの計算や各アセットクラスの商品を探す等の手間が省けます。

バランス型ファンドに関しては、以下の記事をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/fund-saison-vanguard-global/

しかし、一つ重要なことがあります。バランス型ファンド購入前に必ず、そのファンドのリスクを計算してみてください。ファンドによっては、国内債券等の無リスク資産が少ないものもありますので、リスクを計算して、自分の許容範囲以下であるか、確認してください。

そして慣れてきたら、自前のアセットアロケーションを作ってみてください。そして各アセットクラス毎の商品を購入してみてください。

本記事のまとめ

  • 運用成績は、アセットアロケーションで8割から9割決まる。
  • アセットアロケーションの最大目的は、リターンを安定させること。
  • リターンを安定させるために重要なのは「リスク」とアセットクラス間の「相関係数」。
  • 効率的フロンティアを追い求め、自分に最適なアセットアロケーションを作ることも可能。
  • まずは、バランス型ファンドを買ってみる。ただしリスクの計算を怠る事なかれ。
  • 慣れてきたら、自前のアセットアロケーションを作ってみる。

今回はアセットクラスの配分(アセットアロケーション)の決め方に関して説明しました。ぜひ自分が納得の行くアセットアロケーションを作ってみてください。次回は、実際に各アセットに投資するための金融商品に関して紹介します。

本日もお忙しい中、最後までご覧いただき、ありがとうございます。

インデックス投資家育成塾シリーズ次節は投資対象、金融商品(株式、債券、インデックスファンド、ETF等)の選び方です。

本記事の参考文献:

  • 内藤忍の資産設計塾(第3版)
    初級者用です。資産運用の考え方、アセットアロケーションの決定法、アセットクラス毎の金融商品など、投資 を始める前に抑えておきたい点を網羅しています。
    私も資産運用を始めるときはこちらを熟読しました。よく持ち歩いていたのでボロボロです。。

    新版も2015年5月下旬に発売されました。

    投資初心者のため必読書!内藤忍の資産設計塾【最新版】2015年5/24日発売
    初心者が投資を始める際、何から勉強すればよいでしょうか?また、最低限どの程度の知識を知れば良いのでしょうか?私もそうでしたが、初...
  • 現代ポートフォリオ理論講義、根岸 康夫著
    中級者向けです。ただし最初の章は「リターン」「リスク」など資産運用の基本的なことが、数学的に分かりや すく説明されています。少々高いですが、本気でポートフォリオを一度学んでみたい方はご覧ください。
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