MSCIチャイナ・インデックスとは、香港および中国本土(上海・深セン)の株式市場の動向を示す株価指数です。香港ハンセン指数、CSI300指数などとともに中国の主要株価指数のうちの一つです。
本記事では、MSCIチャイナ・インデックスの特徴や各種構成比、他中国株価指数との比較、パフォーマンス、また本指数をベンチマークとするETFや、そのお得なオススメ購入先を紹介・解説します。
目次
MSCIチャイナ・インデックスとは?
MSCIチャイナ・インデックスは、上海・深セン証券取引所、および香港証券取引所で売買される140銘柄を、時価総額加重平均で算出した指数(インデックス)です。この140銘柄には、上海・深セン証券取引所のB株、香港証券取引所のH株やレッドチップが含まています。
参考 中国の証券取引所や株式区分(A株・B株など)の解説は、以下をご参照ください。
業種別構成比
新興国全体に投資するインデックス(FTSEエマージング・インデックス、MSCIエマージング・マーケット・インデックスなど)の業種別構成比と比較すると、MSCIチャイナ・インデックス内の金融の割合が高くなっています。金融規模の大きな銀行がインデックス内に含まれているためです。
業種 | 構成比 [%] |
---|---|
金融 | 39.7 |
情報技術 | 14.4 |
電気通信サービス | 10.9 |
エネルギー | 9.9 |
資本財・サービス | 7.7 |
一般消費・サービス | 5.0 |
生活必需品 | 3.8 |
公益事業 | 3.8 |
素材 | 2.6 |
ヘルスケア | 2.1 |
組み入れ上位銘柄(トップ10)
金融を中心に、世界でも有名な様々な中国企業が組み入れ上位に入っています。テンセント、中国移動、中国建設銀行、中国工商銀行、中国銀行などは、新興国全体に投資するインデックスの組み入れ上位トップ10にも入っています。
銘柄 | 構成比 | 業種 |
---|---|---|
テンセント | 10.5% | 情報技術 |
中国移動 | 8.5% | 電気通信サービス |
中国建設銀行 | 6.5% | 金融 |
中国工商銀行 | 5.9% | 金融 |
中国銀行 | 5.1% | 金融 |
中国人寿保険 | 3.8% | 金融 |
平安保険 | 3.4% | 金融 |
中国海洋石油有限公司 | 2.7% | エネルギー |
中国石油天然気(ペトロチャイナ) | 2.7% | エネルギー |
中国石油化工 | 2.2% | エネルギー |
参考 新興国全体の株価指数の組入上位企業に関しては、以下をご参照ください。
他の中国株価指数との比較
中国の代表的な株価指数には、MSCIチャイナ・インデックスの他、香港ハンセン指数やCSI300指数があります。以下、それぞれの指数の特徴を解説します。
指数名 | 構成株式・銘柄数 | 特徴 |
---|---|---|
CSI300指数 | 上海・深セン取引所A株の300銘柄 |
|
MSCIチャイナ指数 | 上海・深セン取引所B株、および香港取引所H株の140銘柄 |
|
香港ハンセン指数 | 香港取引所の50銘柄 |
|
上表は、中国の主要株価3指数の構成銘柄、および特徴の比較です。CSI300指数の構成銘柄は最も多く分散効果が期待できます。また、中国人と機関投資家しかアクセスできない上海・深センのA株を構成銘柄としているため、中国本土への分散投資を行いたい方にとっては貴重なCSI300指数をベンチマークとする金融商品は大変貴重です。
ただし、香港取引所も含めた中国の株式市場全体に投資したいという方は、MSCIチャイナ指数の方がオススメです。香港・上海・深セン全ての取引所に上場するB株を対象としています。MSCIチャイナ指数の場合、組み入れ上位銘柄には、チャイナモバイル、テンセント、中国商工銀行など世界でも御馴染みの企業が顔を出してきます。
香港ハンセン指数は、構成銘柄が50と分散効果に疑問があるものの、中国市場としては最もアクセスしやすい香港取引所の銘柄が対象となっているため、本指数をベンチマークとする金融商品の投資コストが、割安な点でメリットがあります。例えば、ハンセン指数ETF(02833)の投資コスト(信託報酬)は0.1%と超低コストです。
参考 中国の証券取引所や株式区分(A・B・H株など)の解説は、以下をご参照ください。
まとめると、中国の各地域に分散投資をしたい方はMSCIチャイナ指数、中国本土に投資したい方はCSI300指数、大型銘柄に絞って低コストで投資をしたい方は香港ハンセン指数をベンチマークとする金融商品を選ぶのが良いでしょう。
参考 中国株価指数とそれらをベンチマークとするETFの比較は、以下をご参照ください。
MSCIチャイナ・インデックスをベンチマークとするETFとオススメ購入先
MSCIチャイナ・インデックスをベンチマークとするETFを購入保有することで、本指数と同等の投資成果を上げることができます。以下、MSCIチャイナ・インデックスをベンチマークとするETF、またそれらのETFの売買コストを抑えたオススメ購入先を紹介します。
iシェアーズMSCIチャイナ・インデックスETF(02801)
MSCIチャイナ・インデックスをベンチマークとするETFには、唯一、iシェアーズMSCIチャイナ・インデックスETF(02801)があります。香港証券取引所に上場している銘柄であるため、日本からは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券のネット証券を利用して、低コストで売買することが可能です。
iシェアーズMSCIチャイナ・インデックスETFの特徴:
- ベンチマーク:MSCIチャイナ・インデックス
- 売買手数料:証券会社毎(小資金なら楽天証券、数万円以上ならSBI証券が最安)
- 信託報酬(税抜):0.59%
- 売買単位:200株毎
- 最低購入金額:47,850円(2016年2月22日現在、1香港ドル=14.5円換算)
- 決算:年1回(12月)
- 信託期間:無期限(上場日:2001年11月23日)
- 純資産総額:約600億円
参考 iシェアーズMSCIチャイナ・インデックスETFの詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/etf-ishares-msci-china/
分散性を高めるために
リスクを分散し、中国だけなく新興国株式市場全体への分散投資を行いたい場合、インデックスファンドであれば三井住友・DC新興国株式インデックスファンド(信託報酬:0.56%)、ETFであればバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツ ETF(VWO)(信託報酬:0.15%)がオススメです。これらのファンドには、中国が2~3割の比率で配分されています。
参考 新興国株式クラスのファンド・ETFの比較・詳細は、以下をご参照ください。
また、新興国でなく先進国株式市場への分散投資は、たわらノーロード先進国株式(信託報酬:0.225%)やニッセイ外国株式インデックスファンド(同:0.24%)がオススメです。
参考 先進国株式クラスのファンド・ETFの比較・詳細は、以下をご参照ください。
さらに分散効果を高めいたいという方は、バンガード・トータル・ワールド・ストックETFや三井住友・DC全海外株式インデックスファンドなどの全世界株式ファンドがオススメです。先進国・新興国の約50カ国に分散投資を行うことができます。
参考 全世界株式クラスのファンド・ETFの比較・詳細は、以下をご参照ください。
コストを抑えたお得なオススメ購入先
コストは投資家への確実なマイナスリターンとなり、投資パフォーマンスを悪化させます。投資コスト(売買手数料)の安い証券会社を選び、パフォーマンス向上に努めましょう。以下、国内ETF・海外ETFの場合に分けて、お得な購入先を紹介します。
iシェアーズMSCIチャイナ・インデックスETFは、香港証券取引所に上場する海外ETF(中国ETF)のためマネックス証券・SBI証券・楽天証券の3ネット証券の取り扱いとなります。全ての証券会社で特定口座内で中国ETFを取り扱うことができます。
取引コストの安い証券会社は、売買する株式の代金によって異なります。以下、取引にかかるトータルコスト(売買手数料、および為替手数料)の安い証券会社を解説します。
まず、中国ETF売買手数料は、下表のようになっています。SBI証券とマネックス証券が同様の料金体系で、楽天証券が小価格で割安な料金体系となっています。
証券会社 \ 約定代金 | 10万円まで | 10万円〜100万円まで | 100万円以上 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 約定代金の0.26% 最低:47香港ドル 最高:470香港ドル |
||
マネックス証券 | 約定代金の0.26% 最低:47香港ドル 最高:470香港ドル |
||
楽天証券 | 500円 | 約定代金の0.50% | 一律5,000円 |
また、中国ETF購入に必要な香港ドルを日本円から両替するためにかかる為替手数料は、全ての証券会社で1香港ドルあたり15銭となります。しかし、SBI証券のみ住信SBIネット銀行で売買資金を香港ドルへ換えれば、7銭で済みます。そのため、為替手数料はSBI証券が最安となります。
SBI証券・住信SBIネット銀行の詳細確認・無料口座開設は、以下の公式ページから行えます。今ならSBI証券の口座開設キャンペーンで最大10万円がもらえるます(9月30日まで)。
⇒ SBI証券
⇒ 住信SBIネット銀行
また、SBI証券と住信SBIネット銀行の口座開設を、簡単に、同時開設する方法は、以下をご参照ください。
最後に、売買手数料と為替手数料のトータルコストについて解説します。このトータルコストの安い証券会社で中国ETFを売買することで、コストによるマイナスリターンを防ぐことができます。
楽天証券とSBI証券のトータルコスト比較を解説します。(マネックス証券は、SBI証券と同じ売買手数料だが為替手数料が割高、かつその他経費が別途かかるため、本比較からは除外。)
以下のグラフは、投資資金毎のトータルコストを楽天証券(青線)・SBI証券(赤線)で比較したグラフです。横軸が投資資金(中国ETFの約定代金)、縦軸が投資資金毎の為替・売買手数料のトータルコストです。(1香港ドル=16円で計算)
上のグラフからわかるように、5万円以下の金額で中国ETFを売買する場合は楽天証券がおトクとなります。逆に、5万円以上の金額での売買は、SBI証券がおトクになります。住信SBIネット銀行で換金する場合、ほとんどの価格帯でSBI証券を用いた売買がおトクとなります。
まとめると、中国ETF・株式売買の証券会社を選ぶ場合、
- 機動的な売買・積立・リバランス・配当金(分配金)の再投資など小資金(5万円程度)での売買をする方は楽天証券がオススメ。
- 約5万円以上の資金で中国ETFを買い付ける方はSBI証券がおすすめ。(住信ネットSBI銀行で両替しないなら約15万円以上)
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参考 中国ETF売買のためのその他比較情報は、以下の記事もご参照ください。
NISA口座ならSBI証券がお得!
上記の3ネット証券では、NISA口座内での海外ETFの買付手数料が無料です。そのため、NISA口座で本ETFや海外ETFを買い付ける場合、為替手数料が最も安いSBI証券が最もおトクなためオススメです。
参考 SBI証券NISA口座内の手数料に関しては、以下をご参照ください。
SBI証券の詳細確認・無料口座開設は、以下の公式ページから行えます。今なら口座開設キャンペーンで最大10万円がもらえるます(9月30日まで)。
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また、本ブログでのSBI証券の解説・評価、以下をご参照ください。
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