投資とは非常に難しい世界です。プロの投資家でさえ株式市場の平均に勝つことは難しく、時折現れるカリスマファンドマネージャーと呼ばれる投資家も、10年以内に姿を消します。投資の世界において、長期間勝ち続けることは、ほぼ無理と言っていいのかもしれません。
しかし、この広い世界を見渡してみると、長期に渡って投資で成功し続けてる超人が1人だけいます。世界最強の投資家といわれている「ウォーレン・バフェット」です。
本記事では、ウォーレン・バフェットの投資方法を紹介します。また、その投資方法の中から個人投資家でも実践できるポイントを取り上げ、その投資戦略と方法を紹介します。
参考 バフェット氏の関連記事
http://investment-by-index-invest.com/buffet-apple-stock-201605
目次
世界最強の投資家ウォーレン・バフェットの投資方法
はじめに、ウォーレン・バフェットと彼の実践する投資方法を紹介します。
ウォーレン・バフェットとは?
冒頭でもお伝えしたように、バフェット氏はこの厳しい投資の世界で、長期間成功し続けている唯一の投資家です。
バフェット氏の運営する投資会社バークシャーハザウェイは、1965年以降の48年間で年複利20%の成長を遂げています。48年間でS&P500指数を上回った回数は39回(勝率80%以上)です。5年で区切った投資成果では、S&P500に一度も負けたことはありません。下げ相場、上げ相場の両方でも、S&P500を圧倒しています。
ウォーレン・バフェットの投資方法
では、バフェット氏はどのような投資を行い、成功し続けているのでしょうか?バフェット氏の投資から得られる株式投資の成功法則は数多くあります。その中でも、以下の3点が特に重要と言われています。
- 巨額の資金を少数の銘柄に長期間投資する。(長期集中投資)
- 安定成長企業への投資。
- 配当成長を重視する。
以下、それぞれのポイントを解説致します。
巨額の資金を少数の銘柄に長期間投資
バークシャーハザウェイのポートフォリオの約60%を以下の4銘柄が独占しています。また、これらの銘柄を長期間保有しつづけています。(コカコーラは、1988年に投資し、保有し続けている。)
- コカコーラ
- ウェルズファーゴ
- IBM
- アメリカン・エキスプレス
一度決めた銘柄には長期間保有し続け、複利効果を得るとともに売買コストを抑えています。また、巨額の資金を投資しているため、企業の大株主となることで、経営者と密にコミュニケーションを取っています。
安定成長企業への投資
バフェット氏の投資対象は、景気や市況に影響されないディフェンシブ株が中心です。保有企業の上位10社は、IBMを除いて、全て個人・消費者向けのビジネスを行っている企業です。米国のGDPの大半が個人消費を締め、人口が増え続けいてる点も大きいかもしれません。
配当成長を重視
上にあげたバフェット氏の4大銘柄の特徴は、配当成長です。ただ配当利回りが高いだけでなく、企業成長に合わせて配当が着実に成長しています。コカコーラ、アメリカンエキスプレスは、長期的に増配を行っていますし、IBMも経営危機の時期を除けば、持続的に増配を行っています。
配当利回りが高い企業は、株価下落局面で価値抵抗があります。また、これらの企業成長とともに増配している企業は、成長企業でもあるので、上昇局面に強い性質もあります。
個人投資家が参考にできるポイント
上にあげた3点のうち、「巨額の資金を少数の銘柄に長期間投資する長期集中投資」は、個人投資家には難しくリスクも高すぎます。しかし、「安定成長企業への投資」および「配当成長を重視した投資」は、個人投資家でも十分実行可能です。
以下では、個人投資家のための安定配当成長を重視する投資方法を紹介します。
配当成長戦略を用いた投資方法
バフェット氏の投資銘柄には、長期で配当成長を続けている銘柄が多く含まれることがわかりました。以下、配当成長戦略の投資方法および投資先金融商品(ETF)を紹介します。
個人投資家が配当成長戦略を実践するポイント
個人投資家が、配当成長戦略ポイントは、以下に2点です。
- 高配当よりも配当成長を長年持続している企業への投資
- 分散投資
高配当よりも配当成長を長年持続している企業への投資
高配当銘柄は、下落相場で価値抵抗力を発揮します。しかし、高配当銘柄は減配の際の株価下落リスクもあります。また、高配当銘柄は、電気等の安定した業種が多く株価が安定していますが、キャピタルゲインは期待できません。ほぼ債券に投資するのと変わりません。
それに比べて、配当成長を継続している企業は成長企業でもあるので、キャピタルゲインも期待できます。また、長期で増配している企業の多くは、ブランド力の強い安定した企業であることが一般的です。
分散投資
我々は、バフェット氏のような能力は持ち合わせておりません。そのため、リスク軽減のため分散投資をすることが重要です。
一般的に、増配している企業が減配をした場合、その企業の株価は下落します。そのため集中投資をしていると、大きな損失を生む可能性があります。しかし、さまざまな企業に分散投資することで、一社の株価下落のリスクを軽減することができます。
配当成長戦略を基にした金融商品(ETF)
我々個人投資家は、以下のETFやインデックスファンドを用いて、上述の配当成長戦略投資を実践できます。長期投資が前提ですので、保有期間の手数料(経費率)の安い金融商品がおすすめです。(信託報酬の高いファンドは、今回除外させていただきました。)
以下、これらの金融商品について解説していきます。
NEXT NOTES S&P500 配当貴族(ネットリターン) ETN(2044)
S&P500配当貴族(25年間増配をし続ける米国約50社からなる株価指数)に連動する国内ETNです。課税後の配当込みの指数に連動する設計になっているため、配当金を自分で再投資しなくて済む点は良い。しかし、経費率が0.85%と安くない。
参考 NEXT NOTES S&P500 配当貴族(ネットリターン) ETNの詳細は、以下をご参照ください。
国内ETNなので、売買手数料の安いライブスター証券か、株主優待で株式売買手数料のキャッシュバックを受けられるGMOクリック証券がおすすめ。
参考 国内ETN・株式の売買のためのおすすめ証券会社は、以下をご参照ください。
バンガード・米国増配株式ETF(VIG)
NASDAQ USディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックスをベンチマークとする海外ETF。10年以上増配を続けている企業へ分散投資が可能なETF。経費率も0.10%と格安。このあたりはさすがバンガード。
参考 バンガード・米国増配株式ETF(VIG)の詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vanguard-dividend-increase-etf-vig/
SMT米国株配当貴族インデックス・オープン
S&P500配当貴族をベンチマークとするインデックスファンドです。NEXT NOTES S&P500 配当貴族(ネットリターン) ETNと同様のベンチマークですが、信託報酬が0.55%と割安です。また、SBI証券で購入手数料無料で取引できます。
インデックスファンドとして、ETF/ETNと比べると利便性が高いので、投資初心者の方に良いでしょう。
参考 SMT米国株配当貴族インデックス・オープンの詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/smt-us-dividend-aristocrat-index-open/
また、日本株式市場で同様の投資を行いたい場合、SMT日本株配当貴族インデックス・オープン(信託報酬:0.42%)がオススメです。詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/smt-japan-dividend-aristocrat-index-open/
配当成長戦略のパフォーマンス
気になる配当成長戦略のパフォーマンスですが、2000年からのパフォーマンスを見る場合、S&P500 配当貴族指数がS&P500指数を圧倒します。しかし、10年などの期間やパフォーマンスを比べる期間を変えると、S&P500のパフォーマンスが良かったり、配当成長戦略の指数が良かったりとパフォーマンスは、まちまちです。
今後、どのようなパフォーマンスになるか大変興味深い指数です。
バフェット投資のまとめ
- バフェットは、長期間投資を成功し続けている、世界で唯一の投資家。
- バフェットの投資は、「バリュー」「安定成長」「グローバル」
- 配当成長戦略を用いた投資方法は、個人投資家が行えるバフェット流の投資
- 配当貴族指数に連動するETFなどが、配当成長投資を行うための金融商品
参考文献
- 2014-2015年 世界のマネーは米国に向かう! 藤田勉
第3章にバフェットの投資法および配当戦略投資法が説明されています。
本全体としては、利上げ後の米国経済を見通し、今後の有望な投資方法について紹介されています。
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