FTSEディベロップド・ヨーロッパ指数は、ヨーロッパ(欧州)株式市場への分散投資を目的とした株価指数(インデックス)です。バンガード・FTSE・ディベロップド・ヨーロッパ・UCITS・ETF等低コストETFのベンチマークに採用されています。
本記事では、FTSEディベロップド・ヨーロッパ指数(インデックス)の特徴、構成比、本指数をベンチマークとする金融商品を紹介・解説します。また、それら金融商品のお得なオススメ購入先などを紹介・解説します。
目次
FTSEディベロップド・ヨーロッパ指数の特徴・評価
FTSEディベロップド・ヨーロッパ指数は、ヨーロッパ先進国株式市場の浮動株調整時価総額株価指数です。ヨーロッパ先進国17カ国の上場企業の500社以上から構成されている株価指数(インデックス)です。
グローバル先進国株式クラスに投資する際、MCSIコクサイ等を用いると思いますが、その場合、アメリカの比率が高くなります(MSCIコクサイならアメリカの構成比は60%程度)。そのためヨーロッパ諸国の比率を高めたいという方には、MSCIヨーロッパ指数同様、便利なインデックスです。
参考 MSCIコクサイの詳細は、以下をご参照ください。
国別構成比
以下のグラフ・表は、FTSEディベロップド・ヨーロッパ指数の国別構成比です。MSCIヨーロッパ指数(インデックス)とは大きく変わらない構成です。イギリス、フランス、スイス、ドイツ等の上位陣の比率が若干低めで、下位の北欧勢・南欧勢の構成比が高めになっています。
国 | 構成比 |
---|---|
イギリス | 31.64% |
フランス | 14.52% |
スイス | 14.13% |
ドイツ | 13.72% |
スペイン | 5.09% |
オランダ | 4.55% |
スウェーデン | 4.37% |
イタリア | 3.83% |
デンマーク | 2.69% |
ベルギー | 2.06% |
フィンランド | 1.43% |
ノルウェー | 0.93% |
アイルランド | 0.47% |
オーストリア | 0.28% |
ポルトガル | 0.22% |
ギリシャ | 0.07% |
業種別構成比
以下のグラフ・表は、FTSEディベロップド・ヨーロッパ指数の業種別構成比です。MSCIコクサイなど先進国株式市場全体の業種別構成比と比べると、情報技術の割合が少ない分、消費財(生活必需品)などが高い割合です。
業種 | 構成比 |
---|---|
金融 | 22.69% |
消費財 | 19.14% |
ヘルスケア | 12.53% |
資本財・サービス | 12.01% |
一般消費財・サービス | 7.56% |
素材 | 7.19% |
エネルギー | 6.64% |
電気通信サービス | 4.91% |
公益事業 | 3.96% |
情報技術 | 3.37% |
組入上位10銘柄
下表は、FTSEディベロップド・ヨーロッパ指数の組入位10銘柄です。MSCIヨーロッパ指数と同様に、スイスの生活必需品系大企業ネスレHSBCなどが上位です。医療系がトップ10に占める割合が高いことも同様です。
銘柄 | 構成比 | 国 | 業種 |
---|---|---|---|
ネスレ | 2.86% | スイス | 消費財 |
ノバルティス | 2.32% | スイス | ヘルスケア |
ロシュ | 2.28% | スイス | ヘルスケア |
HSBCホールディングス | 1.82% | イギリス | 金融 |
サノフィ | 1.37% | フランス | ヘルスケア |
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ | 1.32% | イギリス | 資本財・サービス |
バイエル | 1.32% | ドイツ | ヘルスケア |
BP(British Petroleum) | 1.30% | イギリス | エネルギー |
グラクソ・スミスクライン | 1.26% | イギリス | ヘルスケア |
ロイヤル・ダッチ・シェル | 1.21% | イギリス | エネルギー |
参考 ヨーロッパの有名企業に関しては、以下をご参照ください。
評価・解説
ヨーロッパ株式市場への投資を目的とした指数(インデックス)には、FTSEディベロップド・ヨーロッパ指数の他にMSCIヨーロッパ指数やFTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスがあります。MSCIヨーロッパ指数は、FTSEディベロップド・ヨーロッパ指数の銘柄数や構成比とほとんど変わりはありまません。
しかし、FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスは、ヨーロッパ株式市場の小型株式も含まれるため、銘柄数(1230銘柄)・株式市場のカバー範囲(95%以上)で、他2指数と比べて分散性が高いため、こちらの指数の方が長期分散投資に向いています。小型株効果の取り込みも可能となります。
そのため、ヨーロッパ株式市場への投資を行う際、FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスをベンチマークとする金融商品が最もオススメです。
参考 FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスの詳細は、以下をご参照ください。
FTSEディベロップド・ヨーロッパ指数をベンチマークとする金融商品
FTSEディベロップド・ヨーロッパ指数に連動する商品としては、海外ETFのバンガード・FTSE・ディベロップド・ヨーロッパ・UCITS・ETF(VEUR)があります。信託報酬0.12%とヨーロッパ株式クラスのETFでは、最安水準です。しかし、本ETFはヨーロッパに上場しているため、みずほ銀行などでしか購入できません(ネット証券では購入不可能)。
下表は、ヨーロッパ株式市場への分散投資を目的としたETFのコスト・ベンチマーク比較です。バンガード・FTSE・ディベロップド・ヨーロッパ・UCITS・ETFとバンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK)が最安コストです。
ETF名 | ベンチマーク | 信託報酬 | 種類 |
---|---|---|---|
バンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK) | FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックス | 0.12% | 海外ETF |
バンガード・FTSE・ディベロップド・ヨーロッパ・UCITS・ETF(VEUR) | FTSEディベロップド・ヨーロッパ指数 | 0.12% | 海外ETF |
UBS ETFユーロ圏大型株50(1385) | ユーロ・ストックス50指数 | 0.15% | 国内ETF |
UBS ETF欧州株(1386) | MSCIヨーロッパ指数(インデックス) | 0.20% | 国内ETF |
UBS ETF欧州通貨圏株(1387) | MSCI EMUインデックス | 0.23% | 国内ETF |
iシェアーズユーロ・ストックス50UCITS ETF(EUE) | ユーロ・ストックス50指数 | 0.35% | 海外ETF |
iシェアーズMSCIヨーロッパUCITS ETF(IMEU) | MSCIヨーロッパ指数(インデックス) | 0.35% | 海外ETF |
バンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK)は、最安コストであると同時に、ヨーロッパ株式市場のインデックスとして最も分散性に優れたFTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスをベンチマークとしているため、ヨーロッパ株式市場への投資の際、最もオススメなETFです。
参考 バンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK)の詳細、その他投資クラスのバンガード低コストETFは、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vanguard-ftse-europe-etf-vgk/
また、ヨーロッパを含む全世界の先進国株式市場への投資を行う場合、MSCIコクサイをベンチマークとするニッセイ外国株式インデックスファンドがオススメです。信託報酬0.25%と超低コストで先進国22カ国、1500銘柄以上に分散投資を行うことができます。
参考 ニッセイ外国株式インデックスファンドやその他の先進国株式市場への投資を目的としたインデックスファンド・ETFは、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/nissay-msci-kokusai-indexfund/
おすすめ購入先
コストは投資家の確実なマイナスリターンとなります。購入にかかる費用(売買手数料と為替手数料)が安い証券会社を選び、コストお抑えましょう。
バンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK)などヨーロッパ株式市場への投資を目的としたETFは、海外ETFのためマネックス証券・SBI証券・楽天証券の3ネット証券の取り扱いとなります。以下、これらのネット証券の比較表です。
証券会社 | 売買手数料 | 為替手数料 (1ドル両替あたり) |
---|---|---|
SBI証券 | 約定額の0.45% (最低0ドル、最大20ドル) | 0.25円 住信SBIネット銀行で0.04円 |
マネックス証券 | 0.25円 | |
楽天証券 | 0.25円 |
米国株式・ETFを購入する場合、株式・ETF自体の売買手数料の他、為替手数料がかかります。米国の金融商品のため、米ドルで売買しなくてはいけないので、日本円を米ドルに替える必要があり、その際に発生する手数料が「為替手数料」です。
上の表からわかるように、株式・ETFの売買手数料は、SBI証券とマネックス証券が最安となっています。約定代金の0.45%が手数料としてとられますが、上限が20ドルとなっているため、一律25ドルかかる楽天証券より割安です。
為替手数料に関しては、SBI証券が最安です。提携先の住信SBIネット銀行で両替することで為替手数料を他社よりも節約できます。外貨入出金サービスも充実しており、コスト・利便性の両面から見て、米国ETF・株式の売買は、SBI証券がオススメです。
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本ETFなど海外ETFをNISA口座で購入予定の方は、SBI証券がオススメです。SBI証券では、NISA口座での海外ETFの買付手数料が無料です。また、上述のように、他証券会社と比べて為替手数料も割安になるので、買付時の手数料を限りなく安くできます。
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SBI証券の特徴【早見表】 | |
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また、本ブログでのSBI証券の詳細、評価・解説は、以下をご参照ください。
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