今後、中長期で成長が期待される市場に新興国市場があります。新興国株式市場に投資することで、今後の新興国の成長を享受することができます。しかし、今後の成長に魅力のある新興国株式市場も、短期でみると相場の変動が大きいため、長期投資が重要となります。
長期投資を行う場合、投資商品の経費率(信託報酬)などの投資コストがパフォーマンスに大きく影響します。そのため、低コストの投資商品を選ぶことが重要です。
本記事では、新興国株式市場への投資を目的とした二つの低コスト(経費率0.2%以下)ETFを紹介します。2つのETFのベンチーマーク・経費率・ETFの種類なども比較しますので、2つの違いを理解し皆様の投資手法にあったETFを選びましょう。
目次
新興国株式市場に投資するならバンガード(VWO)かiシェアーズ(1582)がオススメ!
冒頭でも述べたように、短期で相場の変動が大きい新興国株式市場では、長期投資が不可欠です。長期投資なので、投資商品のコストが安いものを選ぶことが重要です。
新興国株式市場への投資を目的とした低コスト商品は、以下の2つのETFがあります。いずれのETFも経費率が0.2%以下と低コストです。
- バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツ ETF(VWO):経費率0.15%
- iシェアーズエマージング株ETF(MSCIエマージングIMI)(1582):経費率0.18%
それでは、いったいどちらの商品が良いのでしょうか?
基本的に、二つのETFの違いは以下の3点(ETFの種類・ベンチーマーク・コスト)です。
iシェアーズ エマージング株ETF(MSCIエマージングIMI) | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツ ETF(VWO) | |
---|---|---|
ETFの種類 | 国内ETF | 海外ETF |
ベンチーマーク | MSCIエマージング・マーケットIMIインデックス (韓国を15%程度含む) | FTSEエマージング・インデックス (韓国を含まず、その分他国の配分比が高い。) |
経費率(年率) | 0.18% | 0.15% |
以下、2つのETFの違いを上表の3つのポイントから解説していきます。これらの解説を参考に、皆様の投資スタイルに合ったETFを選びましょう。
参考 1582とVWOの詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/etf-vanguard-emerging/
http://investment-by-index-invest.com/i-shares-mcsi-emerging-market-etf-1582
国内ETFと海外ETFの違い
はじめに両ETFの種類の違いについて解説します。両ETFはそれぞれ、バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツ ETF(VWO)が海外ETF、iシェアーズエマージング株ETF(MSCIエマージングIMI)(1582)が国内ETFです。
以下の表は、国内ETFと海外ETFの違いをコスト・利便性の面から比較したものです。
国内ETF | 海外ETF | |
---|---|---|
コスト |
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利便性 |
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コストは、国内ETFが国内株式同様の手数料で売買できるため、海外ETFよりも安くなります。しかし、ETF保有時にかかるコスト(経費率)は、海外ETFの方が安いことが一般的です。実際、今回の比較でもVWOの経費率が1582に比べて安くなっています。(コストの詳細比較は後述します。)
利便性は、海外ETFと比べて、国内ETFは円ベースの売買ができるためわかりやす点がメリットです。しかし、売買高少ないためETFの実際の価値(基準価値)と売買価格が大きく乖離する場面もあります。
コスト(経費率)の違い
上述のように、1582は売買手数料が安いですが経費率がVWOと比べて割高、逆にVWOは経費率は低いですが売買手数料が海外ETFのため割高となります。実際どちらのETFがコスト面でおトクなのでしょうか?以下、両ETFのコスト面の比較を行います。
下表は、両ETFの特徴と今回の比較での前提条件となります。売買コストは証券会社によって違うため、今回の比較では、どちらも最安の証券会社を使った場合の比較を行います。国内ETFは株主優待で実質手数料無料となるGMOクリック証券、海外ETFは売買手数料最安のSBI証券で取引をしたことを前提とします。
iシェアーズ エマージング株ETF(MSCIエマージングIMI) | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツ ETF(VWO) | |
---|---|---|
証券会社 | GMOクリック証券 | SBI証券 |
売買手数料 | 実質無料 | 約定代金の0.45% (5ドル〜20ドル) |
為替手数料 | なし(0円) | 1ドルあたり0.25円 |
経費率(年率) | 0.18% | 0.15% |
参考 GMOクリック証券・SBI証券の詳細は、以下をご参照ください。
それでは、両ETFを保有した際の、投資期間毎のトータルコスト(売買手数料+経費率)を比較します。投資資金によって、トータルコストの優位性に違いがあるので、投資資金が10万円と100万円に分けて結果を解説します。
投資資金10万円の場合
以下のグラフは、投資資金10万円時の両ETFの投資期間毎の積算トータルコスト(買付手数料+経費率)の比較です。横軸が投資期間、縦軸がトータルコストです。
グラフからわかるように、経費率が安いVWOでも1582のトータルコストに追いつくのに投資期間17年かかります。投資資金が少ない場合、売買手数料の割高さがトータルコストに大きく影響します。そのため、定期的な積立など小資金での投資となる場合は、1582がオススメとなります。
投資資金100万円の場合
以下のグラフは、投資資金100万円時の両ETFの投資期間毎の積算トータルコスト(買付手数料+経費率)の比較です。
投資資金が大きい場合、コスト全体の経費率の高さが効いてくるので、トータルコストの優劣が変わります。投資期間12年でVWOのトータルコストが安くなり、それ以降、両者のトータルコストの差は開き30年後には、16,500円の差になります。
そのため、それなりの大資金で長期投資をする場合はVWOがオススメです。
参考 海外(米国)ETFのコスト比較・詳細は、以下をご参照ください。
NISA口座で買付るなら海外ETF(VWO)がオススメ!
ここまで述べたように、大きな資金を長期間運用する場合はVWOの方がおトク、逆に小資金を積み立てていくような場合は1582がおトクということがわかりました。
しかし、実はNISA口座の買付手数料無料キャンペーンを使うことで、その傾向は大きく変わります。SBI証券では、NISA口座での海外ETFの買付手数料が無料となるキャンペーンを行っています。
そのため、NISA口座でVWOを買い付けるのであれば、VWOのトータルコストが圧倒的に安くなります。為替手数料を入れても投資期間数年(投資資金10万円なら5年、100万円なら3年)でVWOのトータルコストが安くなります。そのため、NISA口座で買付可能の方は、VWOがオススメです。
参考 SBI証券のNISAでの手数料無料化については、以下をご参照ください。
ベンチーマークの違い
最後にベンチーマークの違いについて解説します。両ETFはそれぞれベンチーマークが違います。VWOはFTSEエマージング・インデックス、1582はMSCIエマージング・マーケットIMIをベンチーマークとしています。
両インデックスの決定的な違いは、構成国に韓国を含むか否かという点です。MSCIエマージング・マーケットIMIインデックスは韓国を15%という高い割合で含みますが、FTSEエマージング・インデックスは韓国を一切含みません。
韓国を新興国株式市場に入れてしまうと他の新興国の構成比率を劇的に落としてしまうため、個人的には、韓国は先進国株式市場に分類するインデックスが好きです。
皆さんの投資の考え方に合わせてベンチーマークをお選びください。
比較のまとめ
このように、本記事で紹介する両ETFは、ETFの種類・コスト・ベンチーマークに違いがあります。皆様の優先するポイントによってETFをお選びください。
個人的には、新興国株式インデックスに韓国を含めず、他の新興国の配分比を高くしたい理由、またインデックスファンドを使って小資金で積立後、リレー投資でETFへの投資を行うという投資スタイルであるという理由からバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)を使います。
それぞれのETFのお得なオススメ購入先
コストは投資家の確実なマイナスリターンとなります。購入にかかる費用(売買手数料と為替手数料)が安い証券会社を選び、コストお抑えましょう。以下、それぞれのETFに関して売買コスト最安の購入先(証券会社)を紹介します。
iシェアーズエマージング株ETF(MSCIエマージングIMI:1582)のおすすめ購入先
iシェアーズエマージング株ETF(MSCIエマージングIMI:1582)は、国内ETFのため国内株式が売買できる証券会社で購入することができます。以下は、国内証券会社の株式売買手数料比較です。
証券会社名 \ 約定代金 | 10万円 | 20万円 | 30万円 | 50万円 | 100万円 | 200万円 | 300万円 | 500万円 | 1000万円 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | 90 | 105 | 250 | 250 | 487 | 921 | 921 | 921 | 921 |
GMOクリック証券 *優待で実質無料に | 88 | 98 | 241 | 241 | 436 | 834 | 834 | 834 | 834 |
ライブスター証券 | 80 | 97 | 180 | 180 | 340 | 600 | 600 | 800 | 800 |
松井証券 | 0 | 300 | 300 | 500 | 1000 | 2000 | 3000 | 5000 | 10000 |
マネックス証券 | 100 | 180 | 250 | 450 | 1500 | 3000 | 4500 | 7500 | 15000 |
SMBC日興証券 | 125 | 180 | 250 | 400 | 800 | 1500 | 2000 | 3000 | 4500 |
楽天証券 | 139 | 185 | 341 | 341 | 609 | 1152 | 1152 | 1152 | 1152 |
カブドットコム証券 | 90 | 180 | 250 | 250 | 990 | 1890 | 2790 | 3690 | 3690 |
フィデリティ証券 | 463(評価残高1,000万円未満) 1,389(評価残高1,000万円以上) |
上表の比較からわかるように、ETFの買付(約定)代金が10万円以下なら松井証券、10万円以上ならライブスター証券が最安コストで売買ができます。
参考 松井証券・ライブスター証券の詳細確認・無料口座開設は、以下の公式ページから行えます。ご興味をもたれた方は、ぜひご覧ください。
⇒ ライブスター証券
⇒ 松井証券
しかし、私が最もオススメするのは、GMOクリック証券です。なぜなら、GMOインターネット(9449)の株主優待で、売買手数料をキャッシュバック(実質無料)にできるためです。GMOインターネットの株価の変動リスクはありますが、売買手数料実質無料は魅力的です。
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また、本ブログでのGMOインターネット(9449)株や株主優待で実質手数料を無料にする方法は、以下をご参照ください。
バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)のおすすめ購入先
バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)は、海外ETFのためマネックス証券・SBI証券・楽天証券の3ネット証券の取り扱いとなります。以下、これらのネット証券の比較表です。
証券会社 | 売買手数料 | 為替手数料 (1ドル両替あたり) |
---|---|---|
SBI証券 | 約定額の0.45% (最低0ドル、最大20ドル) | 0.25円 住信SBIネット銀行で0.04円 |
マネックス証券 | 0.25円 | |
楽天証券 | 0.25円 |
米国株式・ETFを購入する場合、株式・ETF自体の売買手数料の他、為替手数料がかかります。米国の金融商品のため、米ドルで売買しなくてはいけないので、日本円を米ドルに替える必要があり、その際に発生する手数料が「為替手数料」です。
上の表からわかるように、株式・ETFの売買手数料は、SBI証券とマネックス証券が最安となっています。約定代金の0.45%が手数料としてとられますが、上限が20ドルとなっているため、一律25ドルかかる楽天証券より割安です。
為替手数料に関しては、SBI証券が最安です。提携先の住信SBIネット銀行で両替することで為替手数料を他社よりも節約できます。外貨入出金サービスも充実しており、コスト・利便性の両面から見て、米国ETF・株式の売買は、SBI証券がオススメです。
参考SBI証券の詳細確認・無料口座開設は、以下の公式ページから行えます。今なら口座開設キャンペーンで、最大10万円もらえます(9月30日まで)。
NISA口座で購入なら買付手数料無料
本ETFなど海外ETFをNISA口座で購入予定の方は、SBI証券がオススメです。SBI証券では、NISA口座での海外ETFの買付手数料が無料です。また、上述のように、他証券会社と比べて為替手数料も割安になるので、買付時の手数料を限りなく安くできます。
⇒ SBI証券、NISA口座での国内株式売買手数料・海外ETF購入手数料無料を恒久化へ!
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⇒ SBI証券の詳細確認・無料口座開設
SBI証券では、各種投資信託や米国株・海外ETFの品揃えが良く、IPOやファンド保有時のポイントなど、様々な独自のメリットがあります。口座開設費・維持費は無料ですので、口座を持っていない方は、この機会に口座を開設してみると良いかもしれません。
SBI証券の特徴【早見表】 | |
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また、本ブログでのSBI証券の詳細、評価・解説は、以下をご参照ください。
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