FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスは、ヨーロッパ(欧州)株式市場への投資を目的とした株価指数(インデックス)です。大型・中型株だけでなく小型株もインデックス内に含み、株式時価総額の約98%をカバーします。
我々投資家は、本指数をベンチマークとする金融商品を購入・保有するだけで、欧州株式市場の大中小型株式約1230銘柄に分散投資が可能となります。
本記事では、FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスの特徴・魅力、構成比、他株価指数(FTSEディベロップド・ヨーロッパ指数)との違い、また本指数をベンチマークとする金融商品やそのオススメ購入先などを紹介・解説します。
目次
FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスの特徴・評価
FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスとは、ヨーロッパ15ヵ国の約1,230銘柄で構成される時価総額加重平均型の株価指数です。その一番の特徴は、大型・中型株式だけでなく、小型株式をインデックスに含む点です。
以下、本指数の各種構成比、他指数との比較、また評価などを解説します。
株式種類別構成比
以下のグフラ・表は、本指数の株式の種類(大きさ)別の構成比です。中小型株や小型株が20%程度配分されています。分散性に優れ、小型株効果も期待できます。
種類 | 構成比 |
---|---|
大型 | 31.54% |
大中型 | 26.81% |
中型 | 18.93% |
中小型 | 13.84% |
小型 | 8.87% |
国別構成比
以下のグラフ・表は、FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスの国別別構成比です。イギリス・スイス・フランス・ドイツを中心にヨーロッパ先進国15カ国を組み入れています。
国 | 構成比 |
---|---|
イギリス | 32.1% |
フランス | 13.8% |
スイス | 13.5% |
ドイツ | 13.3% |
スペイン | 5.0% |
スウェーデン | 4.7% |
オランダ | 4.5% |
イタリア | 4.2% |
デンマーク | 2.7% |
ベルギー | 2.2% |
フィンランド | 1.6% |
ノルウェー | 1.1% |
アイルランド | 0.5% |
オーストリア | 0.4% |
ポルトガル | 0.3% |
業種別構成比
以下のグラフ・表は、FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスの業種別構成比です。MSCIコクサイなど先進国株式市場全体の業種別構成比と比べると、情報技術が少ない分、生活必需品や資本財の比率が高い点が特徴です。
業種 | 構成比 |
---|---|
金融 | 23.0% |
生活必需品 | 18.1% |
資本財 | 13.4% |
ヘルスケア | 12.1% |
消費者サービス | 8.2% |
素材 | 6.9% |
エネルギー | 6.3% |
電気通信サービス | 4.6% |
公益事業 | 3.8% |
情報技術 | 3.6% |
参考 MSCIコクサイの詳細は、以下をご参照ください。
組入上位10銘柄の構成比(全1,229構成銘柄中)
下表は、FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスの組入上位10銘柄の構成比です。上位10銘柄で全体の16.3%程度を占めています。ヨーロッパを代表する有名大企業ばかりです。
銘柄 | 構成比 | 国 | 業種 |
---|---|---|---|
ネスレ | 2.59% | スイス | 生活必需品 |
ロシュ | 2.09% | スイス | ヘルスケア |
ノバルティス | 2.08% | スイス | ヘルスケア |
HSBCホールディングス | 1.64% | イギリス | 金融 |
サノフィ | 1.23% | フランス | ヘルスケア |
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ | 1.19% | イギリス | 資本財・サービス |
バイエル | 1.17% | ドイツ | ヘルスケア |
BP(British Petroleum) | 1.13% | イギリス | エネルギー |
グラクソ・スミスクライン | 1.08% | イギリス | ヘルスケア |
参考 ヨーロッパの指数上位企業の詳細は、以下をご参照ください。
評価・他インデックスとの比較
ヨーロッパ株式市場への投資を目的とした株価指数では、MSCIヨーロッパ指数やFTSEディベロップド・ヨーロッパ指数が有名です。しかし、それらの指数は、主に大型・中型株式から構成されており、株式市場時価総額の約8割程度しかカバーしていません。
それらの指数に比べて、FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスは小型株式を含み、株式市場時価総額の95%以上をカバーしています。分散効果に優れていると言えます。
参考 MSCIやFTSEディベロップド・ヨーロッパ指数の詳細は、以下をご参照ください。
また、小型株を含むことで、分散性を高めるだけでなく、小型株効果を取り込むこともできます。小型株効果とは、学術的にも優位性が認められている株式市場の3大アノマリーの1つで、長期的に見て、大中型株よりも、小型株のパフォーマンスが良い確率が高いというものです。
参考 小型株効果(アノマリー)に関しては、以下をご参照ください。
FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスをベンチマークとする金融商品
FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスをベンチマークとするファンド・ETFは、バンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK)があります。日本から投資できる本指数をベンチマークとする唯一の金融商品です。
バンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK)
バンガード・FTSE・ヨーロッパETFの特徴は、経費率0.12%と格安で、欧州株式市場の大型・中型・小型株に分散投資できる点です。日本から購入可能な欧州株式への投資を目的としたファンド・ETFの中で最安コストのためオススメです。
- ベンチマーク:FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックス
- 売買手数料:証券会社毎(売買手数料・為替手数料ともにSBI証券が最安)
- 経費率:0.12%
- 売買単位:1株(2015年11月19日現在、1株あたり52.08ドル。約6,380円)
- 決算:年4回(3・6・9・12月)
- 償還日:無期限(設定日:2005年3月4日))
- 純資産総額:約1兆7500億円(かなり多い)
- 上場市場:ニューヨーク(後述:日本の証券会社から海外ETFとして購入可能。)
参考 バンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK)の詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vanguard-ftse-europe-etf-vgk/
おすすめ購入先
コストは投資家への確実なマイナスリターンとなり、投資パフォーマンスを悪化させます。投資コスト(売買手数料)の安い証券会社を選び、パフォーマンス向上に努めましょう。
バンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK)は、海外ETFのためマネックス証券・SBI証券・楽天証券の3ネット証券の取り扱いとなります。以下、これらのネット証券の比較表です。
証券会社 | 売買手数料 | 為替手数料 (1ドル両替あたり) |
---|---|---|
SBI証券 | 約定額の0.45% (最低0ドル、最大20ドル) | 0.25円 住信SBIネット銀行で0.04円 |
マネックス証券 | 0.25円 | |
楽天証券 | 0.25円 |
米国株式・ETFを購入する場合、株式・ETF自体の売買手数料の他、為替手数料がかかります。米国の金融商品のため、米ドルで売買しなくてはいけないので、日本円を米ドルに替える必要があり、その際に発生する手数料が「為替手数料」です。
上の表からわかるように、株式・ETFの売買手数料は、SBI証券とマネックス証券が最安となっています。約定代金の0.45%が手数料としてとられますが、上限が20ドルとなっているため、一律25ドルかかる楽天証券より割安です。
為替手数料に関しては、SBI証券が最安です。提携先の住信SBIネット銀行で両替することで為替手数料を他社よりも節約できます。外貨入出金サービスも充実しており、コスト・利便性の両面から見て、米国ETF・株式の売買は、SBI証券がオススメです。
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本ETFなど海外ETFをNISA口座で購入予定の方は、SBI証券がオススメです。SBI証券では、NISA口座での海外ETFの買付手数料が無料です。また、上述のように、他証券会社と比べて為替手数料も割安になるので、買付時の手数料を限りなく安くできます。
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SBI証券の特徴【早見表】 | |
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また、本ブログでのSBI証券の詳細、評価・解説は、以下をご参照ください。
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