MSCIジャパン高配当利回りインデックスは、日本の高配当利回り企業の動向を示す株価指数です。配当利回りの高さ・質・持続性の良い日本企業から構成されています。
本記事では、MSCIジャパン高配当利回りインデックスの特徴、銘柄選定法、各種構成比、他高配当利回り指数との違い、また本指数をベンチマークとする金融商品やそのオススメ購入先などを紹介・解説します。
目次
MSCIジャパン高配当利回りインデックスの特徴・評価
MSCIジャパン高配当利回りインデックスとは、配当性向、配当継続性、配当利回りの質、ROEなどを基に選ばれた企業から構成される株価指数です。単純に配当利回りが高いだけでなく、企業の財務体質や配当の質を勘案して銘柄を選定している点が特徴です。
銘柄選定方法
MSCIジャパンインデックスに採用されている300~400銘柄の中から、以下のような条件を満たした銘柄を採用します。
参考 MSCIジャパンインデックスについては、以下をご参照ください。
配当の質に関する条件
銘柄選定の第一段階として、下条件より、配当の質が良く財務が良好な企業を選びます。
- 条件1:無配や収益マイナスを除外。
- 条件2:配当性向(1株配当/1株益)の上位5%を除外(配当下落リスクをなくすため)
- 条件3:5年間で減配を行っている企業は除外。
- 条件4:ROE、負債/自己資本比率、5年の収益変動性から算出するクォリティ・スコアが負の銘柄は除外
- 条件5:年間株価パフォーマンスがマイナスである銘柄群の下位5%を除外
配当利回りに関する条件
銘柄選定の第2段階として、配当の質が良く財務が健全な企業の中から、高配当利回りの企業を選定します。具体的には、条件1〜5で残った銘柄から、MSCIジャパンの親指数の配当利回りの130%を超える利回りの銘柄を選択します。
個別銘柄のウェイト付け
株価指数は、MSCIジャパンやTOPIX同様、選定された銘柄の時価総額ウェイトにより株価指数を算出します。ただし、指数の分散性を確保するため最大ウェイトを5%としています。
リバランス(銘柄入れ替え)、REITの扱いなど
リバランス(銘柄の入れ替え)は、年2回(5月末・11月末)に行われます。また、高配当利回りの代表に不動産投資信託(REIT)がありますが、本指数にはREIT銘柄は含まれません。
参考 日本のREIT市場への投資は、以下をご参照ください。
業種別構成比
以下のグラフ・表は、本指数の業種別構成比を表したものです。日経平均株価やTOPIXで高い割合を占める資本財・一般消費財に加えて、電気通信の割合が高くなっています。
業種 | 構成比 |
---|---|
資本財 | 26.96% |
一般消費財 | 22.95% |
情報通信 | 16.28% |
ヘルスケア | 8.31% |
金融 | 7.85% |
生活必需品 | 6.91% |
情報技術 | 5.90% |
素材 | 4.84% |
参考 日経平均株価(日経225)やTOPIXの詳細は、以下をご参照ください。
組入上位10銘柄
下表は、本ETFの組入上位10銘柄です。大手情報通信企業や海外で活躍するメーカーが多く、財務が健全で配当利回りが高い企業が多い点が特徴です。
銘柄 | 構成比 | 業種 |
---|---|---|
日本電信電話 | 5.58% | 情報・通信業 |
KDDI | 5.44% | 情報・通信業 |
NTTドコモ | 5.25% | 情報・通信業 |
伊藤忠 | 5.06% | 卸売業 |
本田技研 | 5.05% | 輸送用機器 |
ブリヂストン | 4.96% | ゴム製品 |
日本たばこ産業 | 4.86% | 食料品 |
三井物産 | 4.69% | 卸売業 |
トヨタ自動車 | 4.67% | 輸送用機器 |
キャノン | 4.45% | 電気機器 |
評価・他高配当利回り指数との比較
本指数は、ただ単に配当利回りの高い企業を選んでいるだけでなく、自己資本比率や配当の継続性など、配当の質・財務の健全性を考慮している点が特徴です。そのため、減配による株価暴落リスクを軽減することが期待されます。
MSCIジャパン指数との比較
以下のグラフは、MSCIジャパンとMSCIジャパン高配当利回りインデックスの2000年からのパフォーマンス比較です。各年でみると良い年・悪い年ありますが、MSCIジャパン高配当利回りインデックスのパフォーマンスが概ね良好です。
MSCIジャパン高配当利回りインデックスは、財務健全かつ配当の質が良い高配当利回り企業から構成されているため、ITバブルやリーマンショックなどの株価暴落局面での下落幅が小さい点が理由としてあげられます。
他高配当利回り指数との比較
下表は、高配当利回り企業への投資を目的とした指数の構成銘柄・配当利回りの比較です。
インデックス | 銘柄数 | 配当利回り |
---|---|---|
MSCIジャパン高配当利回りインデックス | 40銘柄 | 2.76% |
東証配当フォーカス100指数 | 100銘柄 | 2.56% |
野村日本株高配当70 | 70銘柄 | 2.49% |
配当利回りは、ほぼ同水準ですが若干本指数が高い傾向があります。また、本指数の構成銘柄数は、他指数と比べて若干構成銘柄数が少ない点が特徴です。ただし、各銘柄組み入れ比率を5%と抑えているため分散性が落ちる訳ではありません。
また、次に紹介するように、実際の金融商品においては、本指数をベンチマークとするETFが最安コストとなっているため、日本の高配当企業への投資を行いたい場合、本指数「MSCIジャパン高配当利回り」が最もオススメです。
MSCIジャパン高配当利回りインデックスをベンチマークとする金融商品
MSCIジャパン高配当利回りインデックスをベンチマークとする金融商品は、iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(1478)のみです。以下、iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETFの特徴を紹介します。
iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(1478)
iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(コード:1478)は、本記事で紹介したMSCIジャパン高配当利回りインデックスをベンチマークとする国内ETFです。
iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(1478)の特徴:
- ベンチマーク:MSCIジャパン高配当利回りインデックス
- 売買手数料:証券会社毎(GMOクリック証券ならNISA口座で無料。優待で実質無料。)
- 信託報酬(税抜):0.19%
- 売買単位:1株毎
- 最低購入金額:1,937円(2015年11月21日現在)
- 決算:年2回(2月、8月)
- 信託期間:無期限(設定日:2015年10月20日)
- 純資産総額:約5.8億円
参考 iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETFの詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/ishares-msci-japan-high-dividend-yield-etf-1478/
下表は高配当利回り指数をベンチマークとするETFのコスト比較です。本ETFが最安コストです。コストは投資家へ確実なマイナスリターンとなり、投資パフォーマンスを悪化させるため、コストの安い金融商品を選びましょう。
銘柄 | 信託報酬 | ベンチマーク | 最低購入金額 (2015年11月現在) |
---|---|---|---|
iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(1478) | 0.19% | MSCIジャパン高配当利回りインデックス | 1,942円 |
上場インデックスファンド日本高配当(1698) | 0.28% | 東証配当フォーカス100 | 17,220円 |
NEXT FUNDS野村日本株高配当70連動型上場投信(1577) | 0.32% | 野村日本株高配当70 | 23,270円 |
参考 高配当利回り銘柄への投資を目的としたETFの詳細・比較は、以下をご参照ください。
コストを抑えたお得なオススメ購入先
iシェアーズMSCIジャパン高配当利回りETF(1478)は国内ETFのため、国内株式売買手数料が安い証券会社での売買が重要です。下表は、各証券会社の国内株式・ETFの売買手数料比較です。
証券会社名 \ 約定代金 | 10万円 | 20万円 | 30万円 | 50万円 | 100万円 | 200万円 | 300万円 | 500万円 | 1000万円 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | 90 | 105 | 250 | 250 | 487 | 921 | 1152 | 1152 | 1152 |
GMOクリック証券 | 88 | 98 | 241 | 241 | 436 | 834 | 834 | 834 | 834 |
カブドットコム証券 | 90 | 180 | 250 | 250 | 990 | 1890 | 2790 | 3690 | 3690 |
ライブスター証券 | 80 | 97 | 180 | 180 | 340 | 600 | 600 | 800 | 800 |
松井証券 | 0 | 300 | 300 | 500 | 1000 | 2000 | 3000 | 5000 | 10000 |
マネックス証券 | 100 | 180 | 250 | 450 | 1500 | 3000 | 4500 | 7500 | 15000 |
楽天証券 | 139 | 185 | 272 | 487 | 921 | 921 | 921 | 921 | 921 |
表からわかるように、投資資金が10万円以下なら松井証券が、10万円以上ならライブスター証券が圧倒的にお得です。皆様の投資資金に合わせてお使い分けください。
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⇒ ライブスター証券
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また、本ブログでの松井証券・ライブスター証券の評価・解説は、以下をご参照ください。
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また、本ブログのGMOクリック証券の評価・解説は、以下をご参照ください。
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