相場には、昨今のギリシャ問題・中国バブル・米利上げなどのように、相場を揺るがす要因がいくつもあります。それらの問題が投資家の心理面に訴えかけ、株式相場の下落などを引き起こすことがあります。
本記事で紹介する VIX指数 は将来の投資家心理を示す数値として利用されています。別名「恐怖指数」と呼ばれていて、相場を揺るがす問題などがある場合に反応する指数です。株式市場と逆相関にあり、VIX指数へ投資ができればリスクヘッジとしても使えます。(2015年時点で先物指数に連動する商品のみ。)
本記事では、VIX指数の算出方法・特徴を解説し、またVIX指数への投資方法を紹介します。
目次
VIX指数とは?
VIX(Volatility Index:ボラティリティ・インデックスの略称)指数とは、米国シカゴ・オプション取引所(CBOE)が、米国主要株価指数「S&P500」を対象とするオプション取引の値動きを元に算出・公表している指数です。将来の投資家心理を示す数値として利用されています。
一般に、VIX指数の数値が高いほど投資家心理が悪化(相場の先行きに不透明感をもつなど)しているとされており、VIX指数は「恐怖指数」とも呼ばれています。
ボラリティとは?VIX指数の算出方法
ボラティリティとは、株価の値動きの激しさのことです。一般に、株価が激しい値動きをするとボラティリティの数値は高くなります。
例えば以下のように、5日間で400円上昇する2つの銘柄があるとします。一方は、毎日80円ずつ上昇する銘柄(青線)、200円上昇、100円下落を繰り返す銘柄(赤線)とします。この場合、値動きのばらつきが大きい赤線の場合がボラリティが大きいと言います。
しかし、上の図を見てもわかるように、過去の値動きからボラリティの大きさを計算できますが、将来のボラリティは算出できません。そこで、実際に取引されているオプション価格を逆算して求めたものを、投資家が予想する将来のボラティリティと考えます。
この逆算により算出されたボラティリティが、過去の水準に比べ高くなっていれば、「投資家は将来相場が大きく変動すると予想している」と考えます。
VIX指数と株式相場(株価指数)との関係
一般に、VIX指数は投資家心理の悪化時に上昇する傾向があります。以下のチャート・グラフは、VIX指数(青線)とS&P500指数(赤線)の比較です。
グラフからわかるように、VIX指数上昇時(投資家心理の悪化時)はS&P500が下落し、S&P500が堅調な際はVIX指数は低水準であることがわかります。つまり、VIX指数は株式市場は逆相関の関係にあることがわかります。
以上のようなVIX指数と株式相場の逆相関関係から、VIX指数への投資を、投資・資産運用のリスクヘッジとして利用することができます。(株価下落時に、VIX指数に投資していれば、VIX指数上昇分の利益がでる可能性がある。)
以下、VIX指数への投資方法を紹介します。2つのETFを選ぶポイントとしては、短期相場と中期相場のどちらを対象とするかという点です。
VIX指数に投資する方法(投資信託・ETFを使う)
日本からのVIX指数への投資は、ETF(上場投資信託)を使うことで投資することができます。ETFとは証券取引所に投資信託のことで、指数の値動きへ連動する投資成果をあげることを目的としています。
VIX指数に連動する(ベンチマークとする)ETFは、以下のような4種類の金融商品があります。
銘柄 | ベンチマーク | 信託報酬 |
---|---|---|
国際のETF VIX短期先物指数(1552) | S&P500 VIX短期先物指数 | 0.36% |
国際のETF VIX中期先物指数(1561) | S&P500 VIX中期先物指数 | 0.36% |
NEXT NOTES S&P500 VIXインバースETN(2049) | S&P500 VIX短期先物インバース日次指数 | 1.80% |
NEXT NOTES日経平均VI先物指数ETN(2035) | 日経平均ボラティリティー・インデックス先物 | 0.95% |
参考 両商品とも先物指数をベンチマークとする点をご注意ください。注意点は、以下のコモディティファンドへの投資記事や各商品の記事をご参照ください。
以下、各ETF・ETNの特徴を紹介します。
国際のETF VIX短期先物指数(1552)
国際のETF VIX短期先物指数(1552)は、円換算したS&P500 VIX短期先物指数をベンチマークとしたETFです。本ETFの特徴は、以下のようになります。
- ベンチマーク:円換算したS&P500 VIX短期先物指数
- 売買手数料:証券会社毎の株式売買手数料。(カブドットコム証券のみ無料。)
- 信託報酬(税抜):0.36%
- 売買単位:1株ごと
- 最低購入金額:499円(2015年8月6日現在)
- 決算:年1回(11月)
- 償還日:無期限(設定日:2010年12月20日)
- 信託財産留保額:なし
VIXの短期先物指数に連動するので、次に紹介する中期先物指数よりも値動きは荒くなります。短期の相場観をお持ちの方は、購入を検討しても良いでしょう。
参考 国際のETF VIX短期先物指数(1552)の詳細は、以下の記事をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vix-short-index-free-etf-1552/
国際のETF VIX中期先物指数(1561)
国際のETF VIX中期先物指数(1561)は、円換算したS&P500 VIX中期先物指数をベンチマークとしたETFです。本ETFの特徴は、以下のようになります。
- ベンチマーク:円換算したS&P500 VIX中期先物指数
- 売買手数料:証券会社毎の株式売買手数料。(カブドットコム証券のみ無料。)
- 信託報酬(税抜):0.36%
- 売買単位:1株ごと
- 最低購入金額:31,300円(2015年8月6日現在)
- 決算:年1回(11月)
- 償還日:無期限(設定日:2011年12月1日)
- 信託財産留保額:なし
参考 国際のETF VIX中期先物指数(1561)の詳細は、以下の記事をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vix-mid-term-free-etf-1561
NEXT NOTES日経平均VI先物指数ETN(2035)
NEXT NOTES日経平均VI先物指数ETN(コード:2035)は、日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)先物をベンチマークとしたETNです。日経平均VI先物とは、将来の投資家心理を示す数値として利用されている指数で、日本版のVIX(恐怖)指数です。
- ベンチマーク:日経平均ボラティリティー・インデックス先物
- 売買手数料:証券会社毎(GMOクリック証券ならNISA口座で無料。優待で実質無料。)
- 信託報酬(税抜):0.95%
- 売買単位:1株ごと
- 最低購入金額:31,550円(2016年1月30日現在)
- 決算:年1回(毎年4/30。休日の場合、翌営業日。)
- 償還日:無期限(設定日:2013年4月19日)
- 信託財産留保額:なし
世界や米国市場ではなく、より理解しやすい日本市場の変動によって投資益を上げたい方にオススメです。
参考 の詳細は、以下の記事をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/next-notes-nikkei-vi-etn-2035/
NEXT NOTES S&P500 VIXインバースETN(2049)
NEXT NOTES S&P500 VIXインバースETN(コード:2049)は、S&P500 VIX短期先物インバース日次指数をベンチマークとしたETNです。S&P500 VIX短期先物インバース日次指数とは、オプション取引の値動きを元に算出・公表しているVIX指数と逆の値動きをする指数です。
- ベンチマーク:S&P500 VIX短期先物インバース日次指数(円換算)
- 売買手数料:証券会社毎(GMOクリック証券ならNISA口座で無料。優待で実質無料。)
- 信託報酬(税抜):1.80%
- 売買単位:1株ごと
- 最低購入金額:5,890円(2016年1月30日現在)
- 決算:年1回(毎年4/30。休日の場合、翌営業日。)
- 償還日:無期限(設定日:2015年3月16日)
- 信託財産留保額:なし
参考 NEXT NOTES S&P500 VIXインバースETN(2049)の詳細は、以下の記事をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/next-notes-sp500-vix-inverse-etn-2049/
ETFのおすすめ購入先
国際のETF VIX短期先物指数や国際のETF VIX中期先物指数ETFのおすすめ購入先は、カブドットコム証券です。SBI証券、マネックス証券、楽天証券などのネット証券でも売買可能ですが、売買手数料無料となるのはカブドットコム証券のみです。売買手数料が無料なので、小口で積立も可能です。
参考 カブドットコム証券の詳細確認・無料口座開設は、以下の公式ページから行えます。ご興味をもたれた方は、ぜひご覧になってみてください。
⇒ カブドットコム証券
本ブログのカブドットコム証券の評価・解説は、以下の記事もご参照ください。
また、その他ETNの購入はGMOクリック証券がオススメです。GMOインターネットやGMOクリックHDなどの株主優待で、実質手数料無料で株式・ETF・ETNが購入可能です。
また、GMOクリック証券ならNISA口座での株式売買手数料が恒久的に無料です!
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コストは投資家の確実なマイナスリターンとなります。購入にかかる費用(売買手数料と為替手数料)が安い証券会社を選び、コストお抑えましょう。
参考 国内ETF・ETNのおすすめ購入先は、以下をご参照ください。
VIX指数のまとめ
- VIX指数は、投資家心理を表す指標。
- VIX指数と株価指数は逆相関があるため、VIX指数の投資は、投資・資産運用のリスクヘッジとなりえる。
- VIX指数への投資は、国際のETF VIX短期先物指数(1552)や国際のETF VIX中期先物指数(1561)
- 2銘柄は、カブドットコム証券で売買手数料無料(フリーETF)で取引できる。
- 日本版VIXとしてNEXT NOTES日経平均VI先物指数ETN(2035)、またインバース型としてNEXT NOTES S&P500 VIXインバースETN(2049)がある。
- この2銘柄は、GMOクリック証券での購入がおすすめ!優待で実質手数料無料。NISAなら完全無料!
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