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基本となる2つの投資・財務指標
はじめに、投資の基本となる2つの指標、EPSとBPSについて解説します。投資に重要な指標の基礎となる指標ですので、正しく覚えましょう。
EPS
EPS(英語表記:Earnings Per Share、読み方:イーピーエス)は、1株あたりの企業の利益水準をはかる指標で、以下のように計算します。
- EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式数
EPSがより高い方が、「投資家から集めた資金をもとに、たくさんの利益を生み出している。」ということになります。
BPS
PBS(英語表記:Book-value Per Share、読み方:ビーピーエス)は、1株あたりの企業の自己資本をはかる指標で、以下のように計算します。
- BPS = 株主資本 ÷ 発行済み株式数
株主資本(自己資本、純資産とも呼ばれる)とは、投資家の資本金や、企業が蓄積してきた利益、またその他の剰余金が含まれます。借入金などのいずれ返済しなければならない資金とは違って、株主の資金、といえます。もし、現時点で株式を発行している企業が解散してしまった場合、残っている資産を投資家に分配することになります。これを数字で表したものが「BPS」です。
ROE:企業の収益率をはかる指標
ROE(英語表記:Return on Equity、読み方:アールオーイー)は、企業が投資家から集めた資金をもとに、どのていど効率的に利益をあげたかをはかる指標です。昨今の、コーポレートガバナンスの適用やJPX日経インデックス400の銘柄選定使われていることで、脚光を浴びている指標です。
参考 JPX日経インデックス400の詳細は、以下をご参照ください。
ROEは、以下の図中のように表すことができます。ROEが高い企業ほど、投資家からの資本を効率的に企業利益につなげている企業ということになります。
PBR:企業価値から株価の割安感をはかる指標
PBR(英語表記:price book-value ratio、呼び方:ピービーアール)は、現在の株価が企業の資産価値(解散価値)に対して割高か割安かをはかる指標です。日本語では「株価純資産倍率」と呼ばれます。
実際にPBRは、株価が1株当たりの純資産の何倍まで買われているのかを測る量で、以下のように計算します。
- PBR(倍)= 株価 ÷ 1株当たり株主資本(BPS)
この「PBR」が低い株式ほどその株価は割安と判断されます。なお、PBR=1倍になるときは、理論上は株価と企業が解散したときの資産価値が全く同じ状態です。そのため、投資判断の1つの目安となります。
PER:企業利益から株価の割安感をはかる指標
PER(英語表記:price earnings ratio、読み方:ピーイーアール)は、現在の株価が企業の利益水準に対して割高か割安かをはかる指標です。日本語では「株価収益率」と呼ばれます。
実際にPERは、株価が1株当たりの純利益の何倍まで買われているのかをはかる量で、以下のように計算します。
- PER(倍)=株価÷1株当たり純利益(EPS)
例えば、株価が10万円、1株当たり純利益が1万円だった場合、「PER」は、
30万円÷3万円=10倍
になります。
PERが低い株式ほど、その株価は割安と判断されます。PERは、株式市場や業種・業界によって異なるので、業種・業界平均と比べて、割安か割高かを判断します。同業種や同様の企業とPERを比べてみると良いでしょう。
株価の割安水準をはかる「PER」「PBR」は、世界最強の投資家ウォーレン・バフェットをはじめ、数多くのバリュー投資家が、銘柄選択の際に参考にする指標です。
参考 バフェットとバフェットの投資方法に関しては、以下をご参照ください。
世界最強の投資家ウォーレン・バフェットの投資方法を個人投資家が実践するとしたら、どんな方法が良いだろうか?おすすめETFは?
投資を始める前に知っておきたい5つの投資・財務指標のまとめ
- EPSは1株あたりの企業利益を、BPSは1株あたりの株主資本をはかる指標。
- ROEは、企業の収益率をはかる指標。
- コーポレートガバナンス、JPX400において、ROEは重要な役割をはたす。
- PBRは株主資本と株価の関係から、PERは企業利益と株価の関係から株価の割安・割高水準をはかる指標。
- PBRとPERは、バリュー投資に重要な指標。
参考 現在行われている、お得な口座開設キャンペーンは、以下をご参照ください。