FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、全世界(先進国・新興国)の株式市場への投資を目的とした株価指数(インデックス)です。大型・中型株だけでなく小型株もインデックス内に含み、全世界の株式時価総額の約98%をカバーします。
我々投資家は、本指数をベンチマークとする金融商品を購入・保有するだけで、全世界の大中小型株式約7,500銘柄に分散投資が可能となります。
本記事では、そのFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスの特徴・魅力、構成比、他株価指数との違い、また本指数をベンチマークとする金融商品やそのオススメ購入先などを紹介・解説します。
目次
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスの特徴
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスとは、全世界(先進国・新興国)47カ国の株式市場への投資を目的とした株価指数(インデックス)です。大型・中型・小型株式、約7,500銘柄から構成されています。
本指数最大の特徴は、カバーする範囲の広さです。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)などと違いは、指数に小型株式も含むため、全世界の株式市場時価総額の約98%をカバーしています。(ACWIは85%程度)
参考 MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスの詳細は、以下をご参照ください。
地域別構成比
以下のグラフ・表は、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスの地域別構成比を表したものです。アメリカ・カナダを含む北米の比率が半分以上を占めています。次いで、欧州・太平洋(日本含む)地域の組み入れ比率が高くなっています。
地域 | 構成比 |
---|---|
北米 | 55.2% |
ヨーロッパ | 22.3% |
太平洋 | 14.0% |
新興国 | 8.2% |
中東 | 0.3% |
参考 新興国株式市場に特化した株価指数は、以下をご参照ください。
国別構成比
以下の表・グラフは、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスの国別構成比を表したものです。アメリカの構成比が半分程度となっています。
国名 | 地域 | 構成比 ETF(VXMU) |
---|---|---|
アメリカ | 北米 | 52.5% |
日本 | 太平洋 | 8.2% |
イギリス | ヨーロッパ | 7.1% |
スイス | ヨーロッパ | 3.1% |
フランス | ヨーロッパ | 3.0% |
カナダ | ヨーロッパ | 3.0% |
ドイツ | ヨーロッパ | 2.9% |
オーストラリア | 太平洋 | 2.2% |
中国 | 新興国 | 2.2% |
韓国 | 太平洋 | 1.6% |
台湾 | 新興国 | 1.4% |
香港 | 太平洋 | 1.2% |
スペイン | ヨーロッパ | 1.1% |
スウェーデン | ヨーロッパ | 1.1% |
インド | 太平洋 | 1.1% |
イタリア | ヨーロッパ | 1.0% |
オランダ | ヨーロッパ | 1.0% |
南アフリカ | 新興国 | 0.7% |
デンマーク | ヨーロッパ | 0.6% |
ブラジル | 新興国 | 0.6% |
ベルギー | ヨーロッパ | 0.5% |
シンガポール | 太平洋 | 0.5% |
メキシコ | 新興国 | 0.5% |
フィンランド | ヨーロッパ | 0.3% |
マレーシア | 新興国 | 0.3% |
ロシア | 新興国 | 0.3% |
タイ | 新興国 | 0.3% |
ノルウェー | ヨーロッパ | 0.2% |
インドネシア | 新興国 | 0.2% |
フィリピン | 新興国 | 0.2% |
イスラエル | 中東 | 0.2% |
アイルランド | ヨーロッパ | 0.1% |
オーストリア | ヨーロッパ | 0.1% |
ニュージーランド | 太平洋 | 0.1% |
ポルトガル | ヨーロッパ | 0.1% |
チリ | 新興国 | 0.1% |
コロンビア | 新興国 | 0.1% |
ポーランド | 新興国 | 0.1% |
トルコ | 新興国 | 0.1% |
アラブ首長国連邦 | 新興国 | 0.1% |
業種別構成比
以下の表・グラフは、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスの業種別構成比を表したものです。各業種バランスよく配分されています。
業種 | 構成比 |
---|---|
金融 | 22.7% |
生活必需品 | 13.2% |
資本財・サービス | 13.1% |
消費者サービス | 11.6% |
ヘルスケア | 11.2% |
情報技術 | 10.9% |
エネルギー | 6.2% |
素材 | 4.4% |
公益事業 | 3.4% |
電気通信サービス | 3.3% |
株式規模別構成比
以下の表・グラフは、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスの株式規模別構成比を表したものです。小型株式も含むことで、全世界の株式市場へ分散投資できるだけでなく、小型株効果も取り込むことができます。
規模 | 構成比 |
---|---|
大型 | 32.2% |
大中型 | 22.4% |
中型 | 18.7% |
中小型 | 14.5% |
小型 | 12.2% |
組み入れ上位10銘柄
下表は、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスの組み入れ上位10銘柄です。アメリカの有名企業が上位を独占しています。上位10企業は、インデックスの7.4%程度を占めています。
企業名 | 構成比 | 国 | 業種 |
---|---|---|---|
アップル | 1.61% | アメリカ | 情報技術 |
マイクロソフト | 0.82% | アメリカ | 情報技術 |
エクソンモービル | 0.80% | アメリカ | エネルギー |
ウェルズファーゴ | 0.68% | アメリカ | 金融 |
ジョンソン&ジョンソン | 0.66% | アメリカ | ヘルスケア |
ジェネラルエレクトリック(GE) | 0.65% | アメリカ | 資本財・サービス |
ネスレ | 0.60% | スイス | 生活必需品 |
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | 0.58% | アメリカ | 金融 |
AT&T | 0.52% | アメリカ | 電気通信サービス |
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) | 0.50% | アメリカ | 生活必需品 |
評価・他インデックスとの比較
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、大・中型だけでなく、小型株を含む点が魅力的です。そのため、大中型株式だけからなる全世界株価指数のFTSE オール・ワールド・インデックスやMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)よりも魅力的です。
小型株を含むことで、分散性を高めるだけでなく、小型株効果を取り込むこともできます。小型株効果とは、学術的にも優位性が認められている株式市場の3大アノマリーの1つで、長期的に見て、大中型株よりも、小型株のパフォーマンスが良い確率が高いというものです。
参考 小型株効果(アノマリー)に関しては、以下をご参照ください。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスをベンチマークとする商品
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスをベンチマークとするファンド・ETFは、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」があります。本ETFは、日本から投資できる、本指数をベンチマークとする唯一の金融商品です。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
バンガード・トータル・ワールド・ストックETFの特徴は、経費率0.14%と超低コストで、全世界の株式市場の大型・中型・小型株に分散投資できる点です。日本から購入可能な全世界株式への投資を目的としたファンド・ETFの中で最安コストのためオススメです。
- ベンチマーク:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
- 売買手数料:証券会社毎の株式売買手数料(詳細後述)
- 経費率:0.14%
- 売買単位:1株(2015年10月9日現在、1株あたり約7,080円)
- 決算:年4回(3・6・9・12月)
- 償還日:無期限(設定日:2008年6月24日))
- 純資産総額:約5233億円
- 上場市場:ニューヨーク(後述:日本の証券会社から海外ETFとして購入可能。)
参考 バンガード・トータル・ワールド・ストックETFの詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vanguard-total-world-stock-etf-vt/
おすすめ購入先
コストは投資家の確実なマイナスリターンとなります。購入にかかる費用(売買手数料と為替手数料)が安い証券会社を選び、コストお抑えましょう。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETFは、海外ETFのためマネックス証券・SBI証券・楽天証券の3ネット証券の取り扱いとなります。以下、これらのネット証券の比較表です。
証券会社 | 売買手数料 | 為替手数料 (1ドル両替あたり) |
---|---|---|
SBI証券 | 約定額の0.45% (最低0ドル、最大20ドル) | 0.25円 住信SBIネット銀行で0.04円 |
マネックス証券 | 0.25円 | |
楽天証券 | 0.25円 |
上表の比較からわかるように、ETFの売買手数料最安はマネックス証券です。ただし、海外ETF購入には、売買手数料の他に日本円を外貨(米ドル)に両替する際の為替手数料がかかります。
為替手数料に関しては、SBI証券が最安です。提携先の住信SBIネット銀行で両替することで為替手数料を他社よりも節約できます。外貨特BUY日に両替すれば、両替コストは0円(無料)になります。また、外貨入出金サービスも充実しており、オススメです。
参考 SBI証券の外貨入出金サービスの詳細は、以下をご参照ください。
トータルコスト(売買手数料+為替手数料)の比較
株式売買手数料最安のマネックス証券とSBI証券の株式売買にかかるトータルコスト(売買手数料と為替手数料の合計)を取引額毎に比較したグラフが以下の図です。横軸が取引金額、縦軸がトータルコストになります。SBI証券の為替手数料は1ドルあたり0.15円としています(外貨特BUY日を利用すれば、SBI証券のトータルコストはさらに下がります)。
グラフから、1回の取引金額が80万円以下ならマネックス証券がお得、80万円以上ならSBI証券がお得ということがわかります。投資金額に合わせて、マネックス証券かSBI証券を選ぶと良いでしょう。
参考 米国ETF売買のトータルコスト比較の詳細は、以下をご参照ください。
参照 マネックス証券・SBI証券の詳細確認・無料口座開設は、以下の公式ページから行えます。今なら口座開設キャンペーンでマネックス証券なら最大71,000円、SBI証券なら最大10万円もらえます(9月30日まで)。 本ETFなど海外ETFをNISA口座で購入予定の方は、SBI証券がオススメです。SBI証券では、NISA口座での海外ETFの買付手数料が無料です。また、上述のように外貨特BUY日の利用で、為替手数料も無料になるので、買付時の投資コストを0円(無料)にすることができます。 参考SBI証券の詳細確認・無料口座開設は、以下の公式ページから行えます。今なら口座開設キャンペーンで、最大10万円もらえます(9月30日まで)。 また、本ブログでのSBI証券の評価・解説は、以下をご参照ください。
下表は、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)を提供するバンガード社の低コストETFです。新興国株式へ投資するVWOやその他ETFを組み合わせることで、低コストで皆様のお好きな資産配分(アセットアロケーション)の作成が可能となります。
参考 バンガードETFの組み合わせ実践例は、以下をご参照ください。
参考 本記事で紹介した証券会社やサービスは、以下の公式ページから無料口座開設・無料登録が行えます。ご興味をもたれた方は、ぜひご覧ください。
参考 現在行われている、お得な口座開設キャンペーンは、以下をご参照ください。
⇒ マネックス証券
⇒ SBI証券NISA口座で購入ならSBI証券がオススメ!
⇒ SBI証券の詳細確認・無料口座開設
他バンガードETFと組み合わせてカスタマイズも!
コード ETF名 ベンチマーク・特徴 経費率
VT バンガード・トータル・ワールド・ストックETF ベンチマークは、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス。 0.17%
VXUS バンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF ベンチマークは、米国を除く世界の市場の98%をカバーする、FTSEグローバル・オールキャップインデックス。 0.14%
VEU バンガード FTSE・オールワールド(除く米国)ETF ベンチマークは、FTSEオールワールド(除く米国)インデックス。
米国を除く先進国および新興国約50カ国の、約2,200銘柄から構成される。0.14%
VEA バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF(VEA) FTSE先進国オールキャップ(除く米国)インデックスをベンチマークとする。 0.09
VGK バンガード・FTSE・ヨーロッパETF ベンチマークは、FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックス。 0.12%
VPL バンガード・FTSE・パシフィックETF ベンチマークは、FTSEアジアパシフィック先進国オールキャップ・インデックス。 0.12%
VWO バンガード FTSE エマージング マーケッツETF ベンチマークは、FTSEエマージング・インデックス。 0.15%
VSS バンガード FTSE オールワールド(除く米国) スモールキャップETF ベンチマークは、FTSEグローバル・スモールキャップ (除く米国) インデックス。 0.19%
02805 バンガード FTSE アジア(除く日本)ETF ベンチマークは、FTSEアジアパシフィック(除く日本・オーストラリア・ニュージーランド)インデックス(手数料および経費の控除前)。 0.38%
03085 バンガード FTSEアジア(除く日本)高配当株式ETF ベンチマークは、 FTSEアジア指数。 0.45%