インデックスファンド・ETFのオールキャップ・インデックス(小型株も含む)への移行、大歓迎です!(梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー)で知りましたが、バンガードETFの以下2銘柄が、新ベンチマークへの移行を完了した模様です。
今年6月大型・中型株式に加え小型株を組み入れた新たなベンチマークへ移行することを発表していましたが、この度ベンチマークの移行が完了したようです。
本記事では、小型株を含むベンチマークが採用されることの意義を解説します。また、現在すでに小型株も組み入れられているETFや今後小型株を含むベンチーマークへの移行が予定されているETFを紹介します。
参考 新ベンチマーク移行のニュースは、以下からもご確認いただけます。
- 4本のバンガードETF(VWO、VEA、VGK、VPL)に小型株が加わり、分散効果がさらに拡大(2015年6日:バンガード・インベストメンツ・ジャパン 公式WEBサイト)
- バンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK)とバンガード・FTSE・パシフィックETF(VPL)が新ベンチマークに移行(2015年10月1日:バンガード・インベストメンツ・ジャパン 公式WEBサイト)
目次
ベンチーマークに小型株を組み入れる場合どうなるか?
今回、バンガード・FTSE・パシフィックETF(VPL)とバンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK)のベンチマークに小型株が追加されましたが、ベンチマーク(インデックス)に小型株が追加されると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
参考 VPL・VGKの詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vanguard-ftse-pacific-etf-vpl/
分散性が増す!
小型株が含まれるメリットの1つに、ベンチマークの分散性が増すという点が上げられます。小型株を新たにベンチマークに加えるため、以前と比べて構成銘柄数が劇的に増えます。
下表は、VPLとVGKの小型株組み入れ前後の銘柄数の推移を表します。組み入れ後の銘柄数は倍以上になっています。銘柄が増えたことで指数の分散性が増すことが期待されます。
組み入れ前 (2015年6月30日) | 組み入れ後 (2015年10月1日) |
|
---|---|---|
VPL | 837銘柄 | 2,166銘柄 |
VGK | 525銘柄 | 1,252銘柄 |
小型株のアノマリーを拾える!
小型株組み入れのメリットには、小型株効果と呼ばれるアノマリーもあります。小型株のアノマリーは、以下3つの学術的にも優位性が認められている株式市場のアノマリーの一つです。
- 割安株のアノマリー
- 小型株のアノマリー
- モメンタムのアノマリー
以下は、大型・中型株からなるETFと小型株からなるETFのパフォーマンスの比較です。赤線が米国を除く全世界の株式市場の小型株からなるETF「バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF(VSS)」で赤線が大型・中型株からなるETF「バンガードFTSE・オールワールド(除く米国)ETF(VEU)」です。
グラフから小型株が優勢なことがわかります。もちろん必ず小型株が勝つというものではありませんが、長期のレンジでみると小型株が優勢な確率が高くなっています。このアノマリーは、米国株式市場や日本株式市場単体でも優位性があります。
参考 アノマリーに関しては、以下の書籍が参考になります。
このように、小型株を組み入れることで、分散性を高めつつ小型株のアノマリーも取り込むことができるため、私もベンチマークへの小型株の追加には大歓迎です。また、今回は経費率を維持したままの変更のため大変喜ばしいことです。
ベンチーマークに小型株を含む銘柄
バンガードのETFでは、すでにベンチマークに小型株を含んだインデックスを採用している銘柄、また今後小型株を組み入れ予定の銘柄があります。以下、これらの銘柄を紹介します。
すでに小型株を含む銘柄
すでに小型株をふくんだインデックスをベンチマークとして採用している銘柄には、主に以下の3つがあります。
銘柄 | 経費率 | 投資対象 |
---|---|---|
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) | 0.17% | 全世界の先進国・新興国株式市場 |
バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF(VXUS) | 0.14% | 米国を除く全世界の先進国・新興国株式市場 |
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI) | 0.05% | 米国株式市場 |
1本で全世界の株式市場に分散投資できるVTをはじめ、米国株式時価総額のほぼ100%をカバーするVTI、また米国を除く全世界の株式市場を投資対象とするVXUSが小型株を含んだインデックスをベンチマークとして採用しています。
どれも経費率が低く投資対象として申し分ありません。また、資金が多い方はVXUSとVTIを組み合わせて経費率を抑えてVTを再現できることができます。
今後組み入れられる銘柄
今後、以下の2銘柄のベンチマークも小型株を含むインデックスに移行予定です。2015年12月末までにベンチマークの移行を完成させる予定のようです。
銘柄 | 経費率 | 投資対象(変更後) | 変更事項 |
---|---|---|---|
バンガードFTSE・オールワールド(除く米国)ETF(VEU) | 0.09% | 米国を除く先進国株式市場 | 小型株の追加(2,248銘柄) カナダ株式の追加(234銘柄) |
バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツ ETF(VWO) | 0.15% | 新興国株式市場 | 小型株の追加(1,845銘柄) 中国A株の追加(1,411銘柄) |
VEUは小型株の他にカナダ株を、VWOは小型株の他に中国A株を組み入れ予定です。ますます、分散性が増します。
個人的には、この組み入れ完了後、VEU、VWO、VTIの3銘柄を組み合わせると面白いと思います。VTを再現する必要はありませんが、原理的には3銘柄でVTを再現でき経費率を0.0672%(8月末時点の構成比での試算)にすることができます。
(ベンチマーク移行完了後レポート致します。)
参考 日本から購入できるバンガードの低コストETF全銘柄は、以下からご確認いただけます。
本記事で紹介したETFのおすすめ購入先
コストは投資家の確実なマイナスリターンとなります。購入にかかる費用(売買手数料と為替手数料)が安い証券会社を選び、コストお抑えましょう。
本記事で紹介したバンガードETFは、海外ETFのためマネックス証券・SBI証券・楽天証券の3ネット証券の取り扱いとなります。以下、これらのネット証券の比較表です。
証券会社 | 売買手数料 | 為替手数料 (1ドル両替あたり) |
---|---|---|
SBI証券 | 約定額の0.45% (最低0ドル、最大20ドル) | 0.25円 住信SBIネット銀行で0.04円 |
マネックス証券 | 0.25円 | |
楽天証券 | 0.25円 |
米国株式・ETFを購入する場合、株式・ETF自体の売買手数料の他、為替手数料がかかります。米国の金融商品のため、米ドルで売買しなくてはいけないので、日本円を米ドルに替える必要があり、その際に発生する手数料が「為替手数料」です。
上の表からわかるように、株式・ETFの売買手数料は、SBI証券とマネックス証券が最安となっています。約定代金の0.45%が手数料としてとられますが、上限が20ドルとなっているため、一律25ドルかかる楽天証券より割安です。
為替手数料に関しては、SBI証券が最安です。提携先の住信SBIネット銀行で両替することで為替手数料を他社よりも節約できます。外貨入出金サービスも充実しており、コスト・利便性の両面から見て、米国ETF・株式の売買は、SBI証券がオススメです。
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NISA口座で購入なら買付手数料無料
本ETFなど海外ETFをNISA口座で購入予定の方は、SBI証券がオススメです。SBI証券では、NISA口座での海外ETFの買付手数料が無料です。また、上述のように、他証券会社と比べて為替手数料も割安になるので、買付時の手数料を限りなく安くできます。
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SBI証券の特徴【早見表】 | |
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また、本ブログでのSBI証券の詳細、評価・解説は、以下をご参照ください。
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