超低コストETFとして人気の高いバンガードETFが、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)を含む8銘柄の経費率の引き下げを発表しました。本改定によりVTの経費率は、0.17%から0.14%へと大幅に引き下げられました。
本記事では、引き下げ銘柄やその内容、バンガードETFが安い理由を解説します。また、バンガードETFの売買コストを抑えて、お得に取引できる低コスト証券会社も紹介します。保有コスト(経費率)だけでなく、売買コストも抑えてパフォーマンス向上を目指しましょう。
目次
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)含む8銘柄が経費率引き下げへ!
バンガードの超低コストETF・ファンド8銘柄が、商品保有時にかかるコスト(経費率)の引き下げを発表しました。以下、経費率引き下げ銘柄、また経費率を削減できる理由、バンガードETFをさらにお得に購入できる証券会社などを解説します。
経費率引き下げ銘柄一覧
下表は、経費率引き下げ全銘柄の経費率、また銘柄の特徴をまとめたものです。全世界株式、先進国株式などの株式ETF、また米国や先進国などの債券ETFが引き下げを行いました。
銘柄 | 経費率 (改定前) | 経費率 (改定後) |
---|---|---|
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) | 0.17% | 0.14% |
バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF(VXUS) | 0.14% | 0.13% |
バンガードFTSE・オールワールド(除く米国)ETF(VEU) | 0.14% | 0.13% |
バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF(VSS) | 0.19% | 0.17% |
バンガード・米国高配当株式ETF(VYM) | 0.10% | 0.09% |
バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(BNDX) | 0.19% | 0.15% |
バンガード・米国短期インフレ連動債ETF(VTIP) | 0.10% | 0.08% |
バンガード・ウェルズリー・インカム・ファンド(VWINX) | 0.25% | 0.23% |
個人的には、日本を含む全世界の大型・中型・小型株式に分散投資できるバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)の経費率0.14%への引き下げが一番うれしいです。こどもNISAにも、こちらの銘柄を使おうと思っているので。
以下、各銘柄を紹介します。すでにご存知の方は、読み飛ばしていただいて構いません。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)は、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスをベンチマークとするETFです。FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、先進国・新興国の約47ヵ国、約8,000銘柄から構成(全世界の株式市場時価総額の98%以上をカバー)される、世界の株式市場への分散投資を目的とした株価指数です。
- ベンチマーク:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
- 売買手数料:証券会社毎(売買手数料・為替手数料ともにSBI証券が最安)
- 信託報酬:0.14%
- 売買単位:1株
- 最低購入金額:59.29ドル(7,169円:1ドル=121円換算、2015年12月20日現在)
- 決算:年4回(3・6・9・12月)
- 償還日:無期限(設定日:2008年6月24日)
- 純資産総額:約5,400億円
- 上場市場:ニューヨーク証券取引所
- 販売会社:SBI証券 ←オススメ!、マネックス証券、楽天証券
参考 バンガード・トータル・ワールド・ストックETFの詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vanguard-total-world-stock-etf-vt/
バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF(VXUS)
バンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF(VXUS)は、米国を除く先進国・新興国株式市場の値動きを表す株価指数であるFTSEグローバル・オールキャップインデックス(除く米国)をベンチマークとするETFです。約50カ国大・中・小型株、約5000銘柄から構成されています(市場の98%をカバー)。
- ベンチマーク:FTSEグローバル・オールキャップインデックス(除く米国)
- 売買手数料:証券会社毎(売買手数料・為替手数料ともにSBI証券が最安)
- 経費率:0.13%
- 売買単位:1株(2015年9月5日現在、1株あたり約5,282円、1ドル=119円換算)
- 決算:年4回(3・6・9・12月)
- 償還日:無期限(設定日:2011/01/26)
- 純資産総額:約5816億円
- 上場市場:ニューヨーク証券取引所
- 販売会社:SBI証券 ←オススメ!、マネックス証券、楽天証券
米国株式市場への投資を目的とする経費率0.05%の超低コストETF、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)、またはバンガード・S&P500ETF(VOO)と組み合わせることで、VTよりも安い経費率で全世界の株式市場へ分散投資を行うことができます。
参考バンガード・トータル・インターナショナル・ストックの詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vanguard-total-international-stock-etf-vxus/
バンガードFTSE・オールワールド(除く米国)ETF(VEU)
バンガードFTSE・オールワールド(除く米国)ETF(VEU)は、米国を除く先進国・新興国株式市場の値動きを表す株価指数であるFTSE・オールワールドインデックス(除く米国)をベンチマークとするETFです。約50カ国の大・中型株、約2,500銘柄から構成されています(VXUSとの違いは小型株式の比率)。
- ベンチマーク:FTSE・オールワールドインデックス(除く米国)
- 売買手数料:証券会社毎(売買手数料・為替手数料ともにSBI証券が最安)
- 経費率:0.13%
- 売買単位:1株(2015年9月5日現在、1株あたり約5,107円、1ドル=119円換算)
- 決算:年4回(3・6・9・12月)
- 償還日:無期限(設定日:2007/03/02)
- 純資産総額:約1兆5,000億円
- 上場市場:ニューヨーク証券取引所
- 販売会社:SBI証券 ←オススメ!、マネックス証券、楽天証券
米国株式市場への投資を目的とする経費率0.05%の超低コストETF、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)、またはバンガード・S&P500ETF(VOO)と組み合わせることで、VTよりも安い経費率で全世界の株式市場へ分散投資を行うことができます。
参考バンガードFTSE・オールワールドETFの詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vanguard-ftse-all-world-etf-veu/
バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF(VSS)
バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETFは、米国を除く先進国・新興国の小型株式市場の値動きを表す株価指数であるFTSEグローバル・スモールキャップ(除く米国)インデックスをベンチマークとするETFです。47ヵ国の約3,300銘柄で構成されています。
- ベンチマーク:FTSEグローバル・スモールキャップ(除く米国)インデックス
- 売買手数料:証券会社毎(売買手数料・為替手数料ともにSBI証券が最安)
- 経費率:0.17%
- 売買単位:1株(2015年9月6日現在、1株あたり約10,7392円、1ドル=119円換算)
- 決算:年4回(3・6・9・12月)
- 償還日:無期限(設定日:2009/04/02)
- 純資産総額:約2,630億円
- 上場市場:ニューヨーク証券取引所
- 販売会社:SBI証券 ←オススメ!、マネックス証券、楽天証券
本ETF最大の特徴は、経費率0.17%で、米国を除く先進国・新興国の小型株市場に分散投資できる点です。大・中型株だけでなく、小型株にも分散投資したい方、また、小型株効果(大型・中型株よりも小型の投資パフォーマンスが良いことがある)を期待する方は、本ETFはオススメです。
また、バンガード・スモールキャップETF(VB)を利用することで、米国の小型株式市場へも投資することができます。
参考バンガードFTSEオールワールドスモールキャップETFの詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vanguard-ftse-all-world-small-cap-etf-vss/
バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)は、米国大型株式の中でも予想配当利回りが平均より高い銘柄で構成されているETFです。FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスをベンチマークとしています。
- ベンチマーク:FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス
- 売買手数料:証券会社毎(売買手数料・為替手数料ともにSBI証券が最安)
- 経費率:0.09%
- 売買単位:1株(2016年3月4日現在、1株あたり約7,460円、1ドル=115円換算)
- 決算:年4回(3,6,9,12月)
- 償還日:無期限(設定日:2006年11月10日)
- 純資産総額:約1.2兆円
- 上場市場:ニューヨーク証券取引所
- 販売会社:SBI証券 ←オススメ!、マネックス証券、楽天証券
バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(BNDX)
バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(BNDX)は、米国を除く主要国(先進国・新興国)債券市場の値動きを表す指数であるバークレイズ・グローバル総合(米ドル除く)浮動調整RIC基準インデックス(米ドルヘッジベース)をベンチマークとするETFです。
- ベンチマーク:バークレイズ・グローバル総合(米ドル除く)浮動調整RIC基準インデックス(米ドルヘッジベース)
- 売買手数料:証券会社毎(売買手数料・為替手数料ともにSBI証券が最安)
- 経費率:0.15%
- 売買単位:1株(2015年10月16日現在、1株あたり約6,366円、1ドル=120円換算)
- 決算:年12回(毎月)
- 償還日:無期限(設定日:2013/05/31)
- 純資産総額:約3920億円
- 上場市場:ニューヨーク証券取引所
- 販売会社:SBI証券 ←オススメ!、マネックス証券、楽天証券
米国債券市場への投資を目的とした経費率0.07%バンガード米国トータル債券市場ETF(BND)と合わせて保有することで、安定した利回りの期待できる先進国債券市場に分散投資を行うことができます。
参考バンガード・トータル・インターナショナル債券ETFの詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vanguard-total-international-bonds-rtf-bndx/
バンガード・米国短期インフレ連動債ETF(VTIP)
バンガード・米国短期インフレ連動債ETF(VTIP)は、バークレイズ米国TIPS(0-5年)インデックスをベンチマークとするETFです。残存期間5年未満の米国債インフレ連動債を投資対象とし、物価上昇からの保護、および短期米国債インフレ連動債に見合ったインカム・ゲインを目指します。
- ベンチマーク:バークレイズ米国TIPS(0-5年)インデックス
- 売買手数料:証券会社毎(売買手数料・為替手数料ともにSBI証券が最安)
- 経費率:0.08%
- 売買単位:1株(2016年3月4日現在、1株あたり約5,592円、1ドル=115円換算)
- 決算:年4回(3,6,9,12月)
- 償還日:無期限(設定日:2012年10月12日)
- 純資産総額:約2113億円
- 上場市場:ニューヨーク証券取引所
- 販売会社:SBI証券 ←オススメ!、マネックス証券、楽天証券
バンガード・ウェルズリー・インカム・ファンド(VWINX)
バンガード・ウェルズリー・インカム・ファンド(VWINX)は、安定した運用、または利回りを目的とした米国籍バランス型ファンドです。債券60%以上、その他を株式により運用を行っています。ウェルズリー・インカム・コンポジット・インデックスをベンチマークとしています。
- ベンチマーク:ウェルズリー・インカム・コンポジット・インデックス
- 購入手数料:マネックス証券で購入手数料無料(ノーロード)
- 経費率(税抜):0.23%
- 売買単位:5口以上5口単位
- 最低購入金額:約14,250円(2016年3月3日現在。1ドル115円換算)
- 決算:年1回(決算日は9月30日。休日の場合、翌営業日。)
- 信託期間:無期限(設定日:1970年7月1日)
- 信託財産留保額:なし
- 販売会社:マネックス証券のみ
このように、様々な投資対象のファンドやETFの経費率が大幅に引き下げられます。皆様もバンガードの格安ETFで運用を行ったみてはいかがでしょうか?以下、バンガードETFの低コストの理由、また売買コストを抑えることができるお得な購入先(証券会社)を紹介します。
なぜバンガードETFは安くできる?
今回の経費率削減は、バンガードETFの純資産増加によるスケールメリットが理由とのことです。投資家があるファンドをたくさん購入した場合、ファンドの純資産は増えます。ファンドの純資産が増えた場合、純資産あたりの人件費が低下するので、その分ファンドの経費率をさらに減らすことができます。
つまり、今回の経費率引き下げにより、さらにバンガードETFの人気があがり購入者が増えた場合、また純資産が増え、今後のさらなる経費率低下期待できるというわけです。実際、1年に一度程度、バンガードは経費率削減を発表しており、今後のさらなる低コスト化が期待できます。
また、バンガード社は、ETF・ファンドの運用を下図のように、同じポートフォリオ内で運用しており、他社よりもスケールメリットが効きやすい構造となっています。
このように、スケールメリットを活かした効率的な運用が、バンガードETFが安い理由の一つとなっており、今後の純資産増加かと共に、さらなる経費率の低下が期待できます。
参考 バンガードの経費率が安い理由についての詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/reason-low-cost-vanguard-etf/
バンガードETFをお得に売買できるオススメ証券会社
コストは投資家への確実なマイナスリターンとなり、投資パフォーマンスを悪化させます。投資コスト(売買手数料)の安い証券会社を選び、パフォーマンス向上に努めましょう。
手数料最安はSBI証券
バンガードETFは、米国のETFのためマネックス証券・SBI証券・楽天証券の3ネット証券の取り扱いとなります。以下、これらのネット証券の比較表です。
証券会社 | 売買手数料 | 為替手数料 (1ドル両替あたり) |
---|---|---|
SBI証券 | 約定額の0.45% (最低0ドル、最大20ドル) | 0.25円 住信SBIネット銀行で0.04円 |
マネックス証券 | 0.25円 | |
楽天証券 | 0.25円 |
米国株式・ETFを購入する場合、株式・ETF自体の売買手数料の他、為替手数料がかかります。米国の金融商品のため、米ドルで売買しなくてはいけないので、日本円を米ドルに替える必要があり、その際に発生する手数料が「為替手数料」です。
上の表からわかるように、株式・ETFの売買手数料は、SBI証券とマネックス証券が最安となっています。約定代金の0.45%が手数料としてとられますが、上限が20ドルとなっているため、一律25ドルかかる楽天証券より割安です。
為替手数料に関しては、SBI証券が最安です。提携先の住信SBIネット銀行で両替することで為替手数料を他社よりも節約できます。外貨入出金サービスも充実しており、コスト・利便性の両面から見て、米国ETF・株式の売買は、SBI証券がオススメです。
参考SBI証券の詳細確認・無料口座開設は、以下の公式ページから行えます。今なら口座開設キャンペーンで、最大10万円もらえます(5月31日まで)。
NISA口座で購入なら買付手数料無料
本ETFなど海外ETFをNISA口座で購入予定の方は、SBI証券がオススメです。SBI証券では、NISA口座での海外ETFの買付手数料が無料です。また、上述のように、他証券会社と比べて為替手数料も割安になるので、買付時の手数料を限りなく安くできます。
⇒ SBI証券、NISA口座での国内株式売買手数料・海外ETF購入手数料無料を恒久化へ!
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SBI証券では、各種投資信託や米国株・海外ETFの品揃えが良く、IPOやファンド保有時のポイントなど、様々な独自のメリットがあります。口座開設費・維持費は無料ですので、口座を持っていない方は、この機会に口座を開設してみると良いかもしれません。
SBI証券の特徴【早見表】 | |
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参考 SBI証券の詳細確認・無料口座開設は、以下の公式ページから行えます。今なら口座開設キャンペーンで、最大10万円がもらえます(5月31日まで)。
⇒ SBI証券の詳細確認・無料口座開設(公式ページへ)
また、本ブログでのSBI証券の詳細、評価・解説は、以下をご参照ください。
参考 本記事で紹介した証券会社やサービスは、以下の公式ページから無料口座開設・無料登録が行えます。ご興味をもたれた方は、ぜひご覧ください。
参考 現在行われている、お得な口座開設キャンペーンは、以下をご参照ください。