2015年も半年が終わります。資産配分(アセットアロケーション)がリバランス水準に達したため、ファンドの整理を行いました。ファンドの整理のついでに、アフリカフロンティア諸国に投資するファンドの売却注文を出しました。
しかし、数時間後、売却注文が却下されていました。楽天証券からのメールによれば、エジプト取引所で取引が全面停止であることが、売却取消の理由のようです。なぜ、エジプト取引所で取引が全面停止になったか調べてみると、驚くべきことがわかりました。
本記事では、今回のエジプト取引所で取引全面停止の件から浮かび上がった、投資リスクの中の「流動性・カントリーリスク」について取り上げます。
目次
そもそも流動性・カントリーリスクとは?
流動性リスクとは、市場で取引量が少ないため、株式・債券などが思うように換金できないリスクです。希望価格で売れなかったり、希望のタイミングで売れないなどが、流動性リスクに含まれます。
流動性リスクの原因としては、主に二つあります。1つは、そもそも金融商品自体(銘柄など)が少ない場合です。もう1つは、異常事態のマーケット状況によるものです。二つ目のリスクは、投資対象国特有のリスクであることから、カントリーリスクなどとも呼ばれます。
テロによりエジプト取引所が全面取引停止
今回のエジプト取引所の取引停止は、エジプトでき起きたテロ事件が原因のようです。以下の記事にありますように、2013年6月29日、エジプトで検事総長を狙った爆発テロが起きました。2013年のクーデター以来、エジプトの政局は不安定な状態です。
日経新聞:
エジプトで検事総長暗殺 車列狙い爆弾テロ
国の異常事態でマーケット自体が閉まってしまうこと、という流動性・カントリーリスクを象徴する出来事となりました。
マイナー国・金融商品の投資の際は、流動性リスクも考慮する
先進国株式等、一般的な金融商品は、株式投資リスク、為替変動リスクなどが、金融商品全体のリスクの大部分を占めます。しかし、フロンティア諸国への投資、またマイナーな金融商品への投資は、流動性・カントリーリスクも重要なリスクとなります。
また、株価や為替変動リスクは、過去の変動のばらつき(リスク)から定量的に分析可能ですが、流動性リスクは定量的な分析が困難です。そのため、アセットアロケーション内のリスク計算とは別に、マイナー国または金融商品の購入をお考えの場合、流動性・カントリーリスクを必ず考慮しましょう。
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