米バンガード社の海外ETFは、インデックスファンドだけでなく国内ETFや他海外ETFと比べて管理費用(信託報酬・経費率)が格安のETFです。バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)など日本でもたくさんの投資家がバンガード社ETFを保有しています。
バンガードETFは低コストだけでなく、豊富な投資対象としても人気があります。例えば、米国以外の先進国・新興国の株式市場に経費率0.13%で分散投資ができる二つのETF「バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF(VXUS)」と「バンガードFTSE・オールワールド(除く米国)ETF(VEU)」があります。
いずれかのETFと米国株式市場への投資を目的としたバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)を組み合わせることで、VTと同じ配分比で経費率を半分程度に抑えることが可能です。
参考 VXUSやVEU、またVTIを使って経費率を下げる方法は、以下をご参照ください。
本記事では、米国以外の先進国・新興国の株式市場に超低コストで投資することができる、VXUSとVEUの違い・比較を解説います。皆様の投資方針に合わせて、いずれか、または両方のETFをご選択ください。
目次
VXUSとVEUの違いは小型株の配分比!
米国を除く先進国・新興国の株式市場に経費率0.13%で分散投資ができるETF「バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF(VXUS)」と「バンガードFTSE・オールワールド(除く米国)ETF(VEU)」の違いは、ズバリ小型株式の配分比の違いです。
下表は、VXUSとVEUの組入銘柄数と株式配分の比較です。VXUSはVEUに含まれない小型株式を含んでいます。そのため、組入銘柄数も2倍程度多くなっています。
バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF(VXUS) | バンガードFTSE・オールワールド(除く米国)ETF(VEU) | |
---|---|---|
銘柄数 | 5,885銘柄 | 2,484銘柄 |
株式配分比 | 大型:20.8% 大中型:25.8% 中型:20.9% 中小型:16.9% 小型:15.6% | 大型:22.6% 大中型:29.0% 中型:23.4% 中小型:17.9% 小型:7.1% |
以下、小型株と銘柄数の違いによる各種構成比の違いやパフォーマンスの違いを解説します。
参考 なお、VXUSとVEUの各銘柄の詳細は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vanguard-total-international-stock-etf-vxus/
http://investment-by-index-invest.com/vanguard-ftse-all-world-etf-veu/
構成比の違い
VXUSとVEUの地域別構成比、国別構成比、業種別構成比を紹介します。小型株の比率の違いによって両銘柄で構成比に多少の違いがあります。
地域別構成比
各地域ともほとんど構成比は変わりませんが、情報技術・バイオベンチャーなどの企業が北米に多いため、VXUSの北米比率が若干高くなっています。
VXUS | VEU | VXUSとVEUの差 (VXUS - VEU) |
|
---|---|---|---|
ヨーロッパ | 46.4% | 46.6% | -0.2 |
太平洋 | 29.1% | 29.4% | -0.3 |
新興国 | 17.7% | 17.7% | 0.0 |
北米 | 6.3% | 5.7% | +0.6 |
中東 | 0.5% | 0.6% | -0.1 |
国別構成比
情報技術・バイオベンチャーなどの企業が多い北米(カナダ)の構成比に多少の違いが見られます。上位10カ国以降の国別構成比は表中のリンクからご覧いただけます。
VXUS | VEU | VXUSとVEUの差 (VXUS - VEU) |
|
---|---|---|---|
日本 | 17.6% | 17.9% | -0.3 |
イギリス | 15.0% | 14.9% | 0.1 |
フランス | 6.3% | 6.7% | -0.4 |
スイス | 6.3% | 6.7% | -0.4 |
カナダ | 6.3% | 5.7% | 0.6 |
ドイツ | 6.1% | 6.2% | -0.1 |
オーストラリア | 4.8% | 5.0% | -0.2 |
中国 | 4.6% | 4.8% | -0.2 |
韓国 | 2.9% | 2.7% | 0.2 |
台湾 | 2.8% | 2.7% | 0.1 |
その他 | 27.3% | 26.7% | 0.6 |
その他(10位以降) | VXUSの国別構成比 | VEUの国別構成比 | ー |
業種別構成比
資本財・ヘルスケア・情報技術などベンチャー・小型企業の多い業種で多少の違いが見られます。
VXUS | VEU | VXUSとVEUの差 (VXUS - VEU) |
|
---|---|---|---|
金融 | 26.7% | 27.3% | -0.6 |
生活必需品 | 15.6% | 16.1% | -0.5 |
資本財サービス | 13.9% | 12.8% | 1.1 |
消費者サービス | 8.7% | 8.2% | 0.5 |
ヘルスケア | 8.5% | 8.7% | -0.2 |
素材 | 7.3% | 7.3% | 0.0 |
エネルギー | 6.2% | 6.3% | -0.1 |
情報技術 | 5.0% | 4.7% | 0.3 |
電気通信サービス | 4.7% | 5.1% | -0.4 |
公益事業 | 3.4% | 3.5% | -0.1 |
投資パフォーマンスの比較・違い
VXUSとVEUの投資パフォーマンスの比較を行います。以下のグラフは過去3年におけるVXUS(赤線)とVEU(青線)のパフォーマンスの比較です。横軸が投資期間、縦軸が各ETFの上昇率です。
グラフからもわかるように両ETFのパフォーマンスの違いはほとんどありません。小型株のパフォーマンスの違いで、若干VXUSの投資パフォーマンスが良い(1%弱)ようです。
ここまで見てきたように投資パフォーマンスや構成比には大きな違いがありません。しかし、長期分散投資の観点から見れば、時価総額に応じて小型株まで配分され2倍以上の構成銘柄からなる、VXUSがオススメです。
バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF(VSS)で広がる投資選択肢
ここまで、VXUSとVEUの違いを見てきましたが、実は米国を除く先進国・新興国小型株式市場への投資を目的としたバンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF(VSS)を用いることで、VXUSとVEUを関係づけることができます。どういうことかというと、この3銘柄の関係は以下のように表せます。
VXUS = 0.9*VEU + 0.1*VSS
そのため、VXUSの小型株の配分比を高めたい方は、VEUとVSSの比率を自分で変えて保有することで、さまざまなポートフォリオを組むことができます。
参考 VSSの詳細や小型株効果は、以下をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/vanguard-ftse-all-world-small-cap-etf-vss
本記事紹介のバンガードETFのお得なオススメ購入先
コストは投資家への確実なマイナスリターンとなり、投資パフォーマンスを悪化させます。投資コスト(売買手数料)の安い証券会社を選び、パフォーマンス向上に努めましょう。
手数料最安はSBI証券
バンガードETFは、海外(米国)ETFのためマネックス証券・SBI証券・楽天証券の3ネット証券の取り扱いとなります。以下、これらのネット証券の比較表です。
証券会社 | 売買手数料 | 為替手数料 (1ドル両替あたり) |
---|---|---|
SBI証券 | 約定額の0.45% (最低0ドル、最大20ドル) | 0.25円 住信SBIネット銀行で0.04円 |
マネックス証券 | 0.25円 | |
楽天証券 | 0.25円 |
米国株式・ETFを購入する場合、株式・ETF自体の売買手数料の他、為替手数料がかかります。米国の金融商品のため、米ドルで売買しなくてはいけないので、日本円を米ドルに替える必要があり、その際に発生する手数料が「為替手数料」です。
上の表からわかるように、株式・ETFの売買手数料は、SBI証券とマネックス証券が最安となっています。約定代金の0.45%が手数料としてとられますが、上限が20ドルとなっているため、一律25ドルかかる楽天証券より割安です。
為替手数料に関しては、SBI証券が最安です。提携先の住信SBIネット銀行で両替することで為替手数料を他社よりも節約できます。外貨入出金サービスも充実しており、コスト・利便性の両面から見て、米国ETF・株式の売買は、SBI証券がオススメです。
参考SBI証券の詳細確認・無料口座開設は、以下の公式ページから行えます。今なら口座開設キャンペーンで、最大10万円もらえます(9月30日まで)。
NISA口座で購入なら買付手数料無料
本ETFなど海外ETFをNISA口座で購入予定の方は、SBI証券がオススメです。SBI証券では、NISA口座での海外ETFの買付手数料が無料です。また、上述のように、他証券会社と比べて為替手数料も割安になるので、買付時の手数料を限りなく安くできます。
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SBI証券では、各種投資信託や米国株・海外ETFの品揃えが良く、IPOやファンド保有時のポイントなど、様々な独自のメリットがあります。口座開設費・維持費は無料ですので、口座を持っていない方は、この機会に口座を開設してみると良いかもしれません。
SBI証券の特徴【早見表】 | |
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また、本ブログでのSBI証券の詳細、評価・解説は、以下をご参照ください。
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