NISA(小額投資非課税制度)は、投資であげた利益が非課税になる大変お得な制度です。2016年4月からは、こどものためのNISA「ジュニアNISA」が始まりました。
本記事では、ジュニア(こども)NISAを徹底解説します。制度の特徴、メリット・デメリットや大人NISAとの違いを比較します。また、ジュニアNISA向けの金融機関やキャンペーンなども紹介します。子育て世代の方は、ぜひ参考にしてみてください!
目次
ジュニアNISAとは?
ジュニアNISAとは、通常の大人NISAとは別に、こども専用のNISAのことです。「そもそも通常NISAって何?」という方は、以下をご参照ください。
以下、通常NISAとの違いからジュニアNISAを解説していきます。
通常(大人)NISAとの違い・比較
ジュニアNISAと通常のNISAの違いを比較しながら、ジュニアNISAの制度の特徴を解説していきます。まずは、下表をご覧ください。ジュニアNISAと通常NISAの制度の比較表です。
項目 | ジュニアNISA | 通常(大人)NISA |
---|---|---|
利用可能な人 | 0歳から19歳までの未成年者 | 20歳以上(成人) |
運用の管理者 | 保護者(15歳以上なら本人も可) | 本人 |
年間投資額(上限) | 80万円 | 120万円 |
非課税期間 | 投資した年から5年間 | |
対象商品 | 上場株式、投資信託、ETFなど | |
売却時期 | いつでも可 | |
払い出し(出金) | 18歳までは不可 ※引き出す場合は課税 | 自由に出金可能 |
金融機関の変更 | 不可 | 1年単位で可能 |
利用可能な人・運用管理者
通常NISAとの決定的な違いは、利用対象者が0歳から19歳までの未成年者である点です。ただし、こどもに投資や運用は厳しいので、親権者が子(口座名義人)に代行して管理を行います。また、未成年であっても15歳以上なら子供が運用することも可能です。
非課税期間
非課税期間は通常NISA同様、5年です。運用から5年が経つと、翌年のジュニアNISA非課税枠に移すか、通常の課税枠で新たに金融商品を購入するか?いずれかを選ぶこととなります。
私の家の場合、NISA非課税枠で再投資するか?また、課税口座でジュニアNISA非課税枠で購入できない個人向け国債を購入するか、迷っているところです。おそらく、非課税枠へ投資することになるとは思いますが。
年間投資額(上限)
年間の投資枠の上限は、80万円です。通常NISAの120万円よりもちょっと抑え目の金額となっています。5年間で400万円(=80万円 × 5年)の非課税枠を利用することができます。
払い出し(出金)
払い出し(出金)は、原則として子供が18歳になるまで、できません。これは通常NISAとの大きな違い(注意点)です。子供の教育費などがジュニアNISAの目的となっているため、このような制度となっています。
以上の特徴をふまえて、ジュニアNISAのメリット・デメリットを見て行きます。
メリットは?
ジュニアNISAは、以下のような2つの節税メリットがあります。
- 運用益が非課税となる
- 相続税の節税
運用益が非課税
ジュニアNISAも通常NISA同様、投資による運用益が非課税となります。通常、値上がり益や配当金などには、20%程度の税金がかかります。そのため、投資で10万円の利益を出しても、課税後は8万円程度となってしまいます。
しかし、ジュニアNISA内であれば運用益が非課税となり、投資益の10万円が、そのままもらえることになります。この運用益が非課税である点が、ジュニアNISA最大のメリットです。
参考 投資にかかる税金の詳しい内容は、以下をご参照ください。
相続税の節税
副次的なメリットとして、ジュニアNISAへの拠出を祖父母などが行ってくれるという場合、将来的な相続税の節税メリットが出てきます。
ただし、ジュニアNISAも含めて、年間120万円の贈与のある場合、贈与税がかかります。ジュニアNISAだけであれば80万円ですが、その他の贈与がある場合は、ご注意ください。
デメリットは?
ジュニアNISAには、大きくわけて、以下2つのデメリットがあります。
- 18歳になるまでは引き出しできない
- 制度の継続性:2023年12月末まで
口座からの引き出し制限:18歳になるまで引き出しできない
基本的に、将来の子供のための資産形成(教育費やビジネスなど)が目的であるため、18歳になるまでは、口座から引き出し(出金)ができません。
中学生や高校生の子供がいる場合、あまり大きなデメリットではありませんが、0歳児などの子供がいる家庭では18年間、出金できない点は、デメリットになるかもしれません。
私の場合、1歳児の息子がいますがジュニアNISA口座を利用しています。出金のデメリットはありますが、ほぼ0%金利の銀行預金に預けておくより、ずっとマシな運用先と考えます。
口座からの引き出し制限:18歳になるまで引き出しできない
ジュニアNISAが利用できるのは2023年12月末までとなっています。2016年に0歳児が運用を始めた場合、ジュニアNISAを利用できるのは7年間(7歳まで)です。それ以降は非課税で運用資金を拠出できなくなります。
また、その5年後(12歳)にはすべてのジュニアNISAの非課税期間が終了することになります。将来、制度の延長が議論されていますが、現状ではこのような制度なっています。
わかりやすくポイントのまとめ
これまで解説してきたジュニアNISAの特徴、メリット・デメリットをまとめます。
ジュニアNISAの特徴・まとめ | |
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メリット | デメリット |
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子供の将来の学費の為の運用としては保険会社による「学資保険(こども保険)」などが代表的な運用手段でしたが、ジュニアNISAが始まったことで、運用の多様性が生まれました。
以下、ジュニアNISA向けの金融・投資商品、またどのような金融機関に口座を開設すべきか?を解説していきます。ジュニアNISAでの運用を考えている方は、ご参考ください。
ジュニアNISA向けの金融商品は?
ジュニアNISAの特徴を考慮しつつ、どのような運用方法が良いのか?また、実際の金融・運用商品はどのようなものを購入するのが良いのか?を解説していきたいと思います。
基本的には、親御さんが資金を拠出することを考えると、ジュニアNISAの資産は、事実上親の資産の一部と考えて運用することが良いと思います。
通常NISAや確定拠出年金(DC)を超えて、お余りある運用資産をジュニアNISAへ振り分けるとよいでしょう。その際は、なるべく高リターンが期待できる商品を振り分けることで、運用益非課税のメリットを最大限活かすことができます。
参考 通常NISAやDC向けの運用方法・金融商品に関しては、以下をご参照ください。
基本は長期分散投資
ジュニアNISA口座の場合、18年間引き出せないなど、通常NISAよりもさらに長期目線の資産運用が重要となります。そのため、運用対象が広く分散性の高い低コストインデックスファンドやETFなどを用いてジュニアNISA運用を行うと良いでしょう。
長期投資を行う場合、銘柄を分散し値動きを安定させることが重要です。例えば、ニッセイ外国株式インデックスファンドやたわらノーロード先進国株式などを利用することで、20カ国以上の先進国株式の約2000銘柄に分散投資をすることができます。
また、コストは投資家への確実なマイナスリターンとなるため、低コスト商品を選ぶことが重要です。インデックスファンドやETFであれば、年率1%以下で投資を行うことができます。先の2つのファンドであれば、購入手数料無料で年率0.2%程度で投資が行えます。
参考 インデックスファンドとETFの比較などは、以下をご参照ください。
以下は、様々な投資先の低コストインデックスファンド・ETFです。皆様の好みに合わせて商品を選ぶと良いでしょう。
株主優待銘柄も人気
実際のジュニアNISAの運用では、株主優待銘柄の割合も多いようです。ディズニーの一日パスポートがもらえるオリエンタルランド(4661)やイオン(8267)、また学習塾などの株主優待を提供する銘柄の人気が高いようです。
通常NISAでは、配当利回りの高い銘柄に人気が集まる傾向がありますが、ジュニアNISAではお子様も家族みんなで楽しめる株主優待銘柄が人気が高いようです。
値上がり益だけでなく、こういった優待も楽しみたい方は、株主優待銘柄をジュニアNISAで保有することもありかもしれません。
⇒ 株主優待に関しての詳しい解説は、コチラをご参照ください。
ジュニアNISA向け金融機関は?口座はどこに開くべき?
投資にかかる手数料(コスト)、また利便性を考えると、ジュニアNISAをどこの金融機関で開設するか?は重要です。以下、ジュニアNISA向け金融機関の選び方や実際のオススメ機関を紹介していきます。
ジュニアNISA向け金融機関を選ぶ上でのポイントは、ズバリ、以下3点です。
- 利便性(金融機関を変更できない)
- 手数料・コストが安い
- キャンペーンをうまく利用する
利便性:規模が大きい・投資商品が多い
現状、ジュニアNISAは金融機関の変更ができまないため、一度決めた金融機関(証券会社・銀行など)でジュニアNISAを運用し続ける必要があります。
そのため、転勤が今後予想される方は、地方・地場の金融機関に口座を作らない方が良いでしょう。全国各地に支店のある、またネットなどで取引のできるネット証券などで口座開設しておくと安心です。
また、銀行だと取り扱い商品に限りにあるので、投資信託やETFが数多く揃えている証券会社が良い選択肢となります。個人的には、取り扱い商品も多く、ネット上で全て取引が完結する「インターネット証券(ネット証券)」が良いと思います。
手数料の安いネット証券を選ぶ
投資にかかる手数料を考えても、やはりネット証券が良いでしょう。ネットによる人件費の削減により、銀行などと比べて圧倒的に手数料が安くなっています。
購入手数料無料(ノーロード)の投資信託を多数取り揃えています。また、株式やETFの手数料も格安になっています。また、証券会社によっては、ジュニアNISA内の株式売買手数料が無料になる場合もあります。
どのネット証券が良いか?
数あるネット証券の中で、オススメなのはSBI証券です。
SBI証券は、投資信託・株式(株主優待含む)・ETFが全て購入することができます。購入手数料無料の投資信託を数多く揃えるだけでなく、投資信託保有時のポイント還元サービス「投信マイレージ」で、お得に投資信託を保有することができます。
さらに、株式・ETFの売買手数料は、ジュニアNISA口座であれば無料になります。コスト・利便性ともに優れた証券会社です。実際、2015年のオリコンランキングで9度目の1位(ネット証券部門)を獲得しています。
参考 SBI証券の詳細確認・無料口座開設は、以下の公式ページから行えます。今なら口座開設キャンペーンで、最大10万円がもらえます(9月30日まで)。
また、本ブログでのSBI証券の解説・評価は、以下をご参照ください。
ジュニアNISA口座開設キャンペーン
各金融機関では、ジュニアNISA口座開設キャンペーンを行っています。これらのキャンペーンをうまく利用して、お得に口座開設をすることのも良い選択肢です。
例えば、上述のSBI証券では、「親子でNISAをはじめよう!ジュニアNISA開始記念キャンペーン!」を開催しています。ジュニアNISA口座を開設すれば、抽選で100名の方に3,000円がもらえます。親子でNISA口座をすれば、当選確率は2倍なる面白いキャンペーンです。
その他、SMBC日興証券では、ジュニアNISA口座開設者に、もれなく2,000円相当のカタログギフトがプレゼントされるキャンペーンが行われています。キャンペーンのお得度から言うと、SMBC日興証券もかなり有力なジュニアNISA口座向けの金融機関となりますね!
⇒ SMBC日興証券のジュニアNISA口座キャンペーンで2,000円相当のカタログギフトがもらなくもらえる!
SMBC日興証券も、ノーロード投信を数多く取り揃えています。また、キンカブという方法も利用できるので、投資の上限額をぴったり使いきることも可能です。
参考 SMBC日興証券の詳細確認は、以下の公式ページから行えます。
また、SMBC日興証券の解説・評価は、以下をご参照ください。
ちなみに、私はSBI証券でジュニアNISA口座を開設しました。私が口座開設したころは、SMBC日興証券のキャンペーンが無かったので、ちょっと残念です。
参考 本記事で紹介した証券会社は、以下から詳細確認・無料口座開設が可能です。ジュニアNISA口座開設をする前に、親権者の口座開設も行う必要がありますが、こちらも無料です。
参考 現在行われている、お得な口座開設キャンペーンは、以下をご参照ください。