今後、高い経済成長を期待できる市場が、フロンティア市場です。現時点では、新興国に及ばない発展段階ですが、今後長期で、先進国・新興国の成長率を凌駕するスピードで、経済成長が期待できる市場です。
本記事では、そのフロンティア市場の、投資対象としての魅力、に迫ります。発展初期段階のフロンティア市場に、今のうちらから投資することで、長期投資のパフォーマンスの向上が期待できます。
目次
フロンティア市場とは?
フロンティア市場とは、投資の世界で一般的な先進国・新興国という区分に属さない国々からなる市場のことです。ヨーロッパ・アフリカ・中東・アジア・南米の国々など、今後長期で成長が見込める国々からなる市場です。以下のような国々がフロンティア市場に含まれます。
ヨーロッパ | アフリカ | アジア | 中東 | 南米 |
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カザフスタン スロベニア クロアチア ルーマニア ウクライナ ブルガリア セルビア リトアニア エストニア | ナイジェリア ケニア チュニジア モーリシャス モロッコ | バングラディシュ ベトナム スリランカ パキスタン | バーレーン ヨルダン レバノン クウェート オマーン | アルゼンチン |
これらの国々の現在の状況は、30〜40年前の日本や10年前のBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)と似た状況です。現在は、まだまだ発展途上ですが、人口ボーナスなど以下にあげる要因から、今後急成長が見込める市場です。
長期投資を行う場合、先進国のように成長が鈍化した国でなく、今後経済成長が期待できる市場に投資を行うべきです。フロンティア市場の魅力とリスクを理解し、投資対象に入れてみてください。
フロンティア市場の6つ魅力
以下フロンティア市場の魅力。および投資対象としての魅力を8つ紹介いたします。
参考資料:以下のデータや資料を参考に本節を寄稿。
魅力1. 経済成長に有利な人口動態と高い潜在成長性(人口ボーナス)
多くのフロンティア諸国に人口ボーナスという経済成長で欠かせない要素が備わっている。
先進国で高齢化が進む中、フロンティア国では若い人口構成が高い経済成長に寄与している。フロンティア国の総人口は約 20 億人で、先進国に比べて 17歳低い。さらに、フロンティア国の生産年齢人口の比率は 2020 年までに先進国の同比率を上回ると予想される。
新興国における賃金水準が上昇したことに伴い(中国の現在の給料水準は2000年の3倍)、フロンティア国に生産を一部移管する余地が生まれた。バングラデシュ、ベトナムおよびカンボジアは、中国に代わり手作業を中心とした労働集約型産業の生産拠点として重要な役割を担うようになっている。今後、多くのフロンティア国は低コスト生産拠点として台頭する。
魅力2. 高い経済成長
近年、多くのフロンティア国が先進国を大きく上回るペースで成長してきました。また、国際通貨基金(IMF)の予測によると、2019年までの経済成長予測も、フロンティア諸国平均の成長率は、先進国の成長率を大きく上回ることが予測されている。
魅力3. 先進国や新興国に比べてフロンティア国の株式時価総額の対 GDP 比率は低い
先進国や新興国に比べてフロンティア国の株式時価総額は小さい。株式市場の規模と発展度合いを測る上で有用な指標に、株式時価総額の対 GDP 比率(株式時価総額÷GDP)がある。一般的に株式時価総額はGDPを反映する。本比率が100%であれば、時価総額はGDPを100%反映していることになる。
2012 年末時点の株式時価総額の対 GDP 比率は、先進国が 60.5%で最も高く、新興国は 17.4%、フロンティア国は 3.2%で最も低い水準であった。これは、フロンティア国の株式市場は成長の余地が大きいことを示唆している。
魅力4. フロンティア国は債務残高が少ない
投資リスクの1つに政府債務の増加が挙げられる。IMF によると、2012 年末時点の政府債務残高の対GDP比率は、主要先進国全体の120%に対して、新興国とフロンティア国は合わせて47%であった。つまり、フロンティア諸国は債務残高が少なく健全である。
魅力5. 豊富な天然資源
多くのフロンティア国は、天然ガス、原油等、豊富な天然資源を有する。これらの豊富は天然資源が経済成長と投資の拡大に寄与するものと考えられる。
魅力6. フロンティア株式と先進国株式の相関性は低い
こちらは、フロンティア諸国に株式投資した場合の優位性である。
フロンティア株式は、新興国株式や先進国株式との連動性が低いため、新興国・先進国の株式と共に保有することで、高い分散投資効果が期待できる。連動性が低い理由は、フロンティア国では、国内要因が株価に与える影響が大きいためである。例えば、国内経済・政治情勢に左右される。また、フロンティア各国で経済成長の牽引役が異なるため、株式市場間の相関性も低い。
また、過去 5 年間は、新興国株式に比べてフロンティア株式のリスクが低い状況が続いている。
投資におけるリスクの意味や、長期分散投資に関しては、以下の記事をご参照ください。
フロンティア市場のリスク
今後数十年で高い経済成長が見込めるフロンティア市場ですが、もちろん以下のようなリスクも存在します。
- 情報入手が困難
ネットワークの整備等が十分ではないので、投資情報の入手が難しい。 - 経済・政治システムの整備の遅れ
金融システムの不整備は、株式の流動性を下げることにもつながります。また、政治・統治システムの乱れにより政局不安があります。 - 為替管理、貿易障壁
為替管理の不足から為替の変動が大きくなります。 - 企業ガバナンス
企業のガバナンス水準や財務の透明性には、企業毎に大きな格差がある。
以上のことは、現在の先進国や新興国が過去に克服してきたことです。全てのフロンティア諸国が、現在の先進国の水準に到達することは難しいでしょう。しかし、様々な危機を乗り越えながら急成長を遂げ、現在の新興国・先進国の水準に到達する国が、フロンティア市場から現れることはなんら不思議なことでありません。
また、流動性に関するリスクは、以下の記事をご参照ください。
フロンティア市場に日本から投資するためには
ここまで述べてきたように、フロンティア市場は今後の大きな経済成長が見込まれる市場です。しかし、短期的には政局不安など、上にあげたようなリスクにより、株価は下落する可能性もあります。
そのため、フロンティア市場に投資する場合、長期・分散を徹底しましょう。長期投資において重要な低コストと分散効果の高い金融商品(ETF)を紹介します。(日本から投資可能な商品)
低コストでフロンティア市場に分散投資できる「iシェアーズ フロンティア株ETF」
日本から投資する場合、iシェアーズ フロンティア株ETFが唯一低コストで分散投資できる金融商品です。
iシェアーズ フロンティア株ETFの詳細は、以下の記事をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/etf-ishares-frontier/
以下、i シェアーズフロンティア株ETFの簡単な解説とコストを抑えた購入方法を紹介します。
i シェアーズフロンティア株ETFの特徴
- 連動指数(インデックス):MSCIフロンティア・マーケット100インデックス
- 欧州・中東・アジア・南米のフロンティア24カ国に分散投資可能。
- 信託報酬:0.79%
- 国内ETF:購入可能。銘柄コードは、1583。
- 海外ETF:購入可能。
- フロンティア諸国に投資する金融商品としては、分散性にすぐれ、信託報酬の格安。
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証券会社の比較・詳細は、以下の記事もご参照ください。
国内ETFが良いか?海外ETFが良いか?
管理人の意見としては、 i シェアーズフロンティア株ETFに関しては、国内ETFでの購入が良いと考えます。海外ETFは、売買手数料および為替手数料が割高なのに対して、国内ETFは、松井証券(10万円以下)やGMOクリック証券で売買すれば、手数料無料にできるためです。
国内・海外ETFの違いに関しては、以下の記事も参考にしてみてください。
証券会社の無料口座開設に関して
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本記事のまとめ
- フロンティア市場は、今後長期で経済成長が見込める市場である。
- 人口ボーナス、豊富な資源などが経済成長の裏付けとなる。
- ただし、政局不安などのリスクが短気には、存在。長期投資が重要。
- フロンティア市場の長期分散投資には、iシェアーズのフロンティアETFがおすすめ。
- 国内ETFなら、GMOクリック証券、海外ETFならマネックス証券で、コストを抑えた投資が可能。
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