普通預金の金利として高水準であった住信SBIネット銀行のSBIハイブリッド預金金利が、年率0.02%へ改悪されました。
マイナス金利の影響により、各銀行が0.001%台に金利水準を落とす中、相対的に高水準ですが、楽天マネーブリッジの年率0.1%やイオン銀行の年率0.12%と比べると見劣りします。
本記事では、SBIハイブリッド預金の特徴やこの度の金利変更の詳細を解説します。
また、マイナス金利下の運用法として、楽天銀行や国債など、SBIハイブリッド預金よりも高金利水準の、無リスク資産運用向けの商品を紹介します。
目次
SBIハイブリッド預金金利が年率0.02%へ低下!
以下、SBIハイブリッド預金の特徴、また今回の金利低下と今後の対策について解説します。
SBIハイブリッド預金とは?
SBIハイブリッド預金とは、SBI証券との証券口座連動普通預金です。
ハイブリッド預金口座内のお金で、現物取引の買付代金などができます。
最大の魅力は、普通預金よりも高い金利で預けることです。
同様のサービスに、楽天証券と楽天銀行のマネーブリッジなどがあります。こちらも証券口座連動普通預金で、高金利でお金を預けることができます。(詳細後述)
金利を年率0.02%へ改悪!
便利でお得なSBIハイブリッド預金ですが、2015年始め年率0.1%だった金利は、2016年2月29日から0.02%まで下がってしまいました。
マイナス金利の影響により、メガバンク、ゆうちょ銀行などの各銀行が年率0.001%台の金利水準に下げる中、比較的高水準の金率水準とは言えます。
しかし、楽天マネーブリッジの金利0.1%よりもかなり悪い水準となってしまいました。
私は、SBI証券でファンドや株式などを保有していますが、少しでも金利で得をするため、SBIハイブリッド預金ではなく楽天銀行(マネーブリッジ)イオン銀行に預けています。
ファンドなどの買付時は、SBI証券のリアルタイム入金で楽天銀行からSBI証券に資金を移して、買い付けています。
ただし、住信SBIネット銀行は為替手数料が安く、SBI証券と合わせて海外株式を安く購入することができるので、海外株式・ETFを購入するには、住信SBIネット銀行にもお世話になっています。
マイナス金利下のオススメ銀行普通預金は?運用法は?
今回のSBIハイブリッド預金をはじめ、マイナス金利の導入後、各銀行の金利水準が大幅に減っています。
メガバンクやゆうちょ銀行などは普通預金金利が0.001%です。
100万円を1年間銀行に預けていても10円しか殖えません。
マイナス金利導入前の金利水準であれば、ATMの引き出し手数料や電車賃程度は金利で賄えましたが、今後はそういったものも難しくなります。
そこで、以下から、マイナス金利時代の上手な資産運用法や普通預金金利の高いオススメ銀行口座などを紹介・解説します。
お得な運用先を選び、マイナス金利に負けない運用を行いましょう。
普通預金ならイオン銀行、または楽天銀行
SBIハイブリッド預金の金利が下がる中、イオン銀行(イオンカードセレクト発行後)や楽天銀行の(マネーブリッジ後)は高金利をキープしています。
いずれの普通預金金利も通常0.02%ですが、イオン銀行はイオンカードセレクトの発行(無料)で金利が0.12%になります。
また、楽天証券とのマネーブリッジを行うことで、金利を0.1%にすることができます。
いずれも無料で、ネットで申込みを行うだけで、高金利で銀行に普通預金に預けることができます。
楽天証券の口座開設費や維持費は無料ですし、楽天銀行とのマネーブリッジ申請もインターネットで数分でできるので、普通預金口座として楽天銀行の利用がオススメです。また、楽天グループの金融機関のため、楽天ポイントなどのサービスも充実しています。
参考 楽天銀行やマネーブリッジの詳細・申請方法は、以下をご参照ください。
個人向け国債変動10年
リスクを取りたくない資産(無リスク資産)の運用として、個人向けの国債変動10年もオススメです。
普通預金や定期預金金利が0.001%台で推移する中、元本保証があり最低でも利回り0.05%が保証される、個人向け国債変動10年は相対的に優位な金融商品です。
マイナス金利で個人向け10年物国債募集中止!のニュースの注意事項でお伝えしたように、新窓販国債の10年物国債は販売停止となるようですが、個人向け国債変動10年は販売しています。
個人向け国債変動10年の適用金利は、以下のように基準金利(10年固定利付国債の入札における平均落札利回り)に追従する形で決定します。
個人向け国債変動10年【適用金利】= 基準金利 * 0.66
ただし、この適用金利には、最低利率保証がありその利率は0.05%となっています。
つまり、マイナス金利下で長期金利が低下しても、商品設計上、0.05%の利率が確保できます。
また、満期の元本保証はもちろんのこと、中途解約しても過去2回分の利子をペナルティとして払うことで解約できるため、保有1年以上経てば、実質的に元本割れしないという、驚異的な好条件となっています。
まとめると、以下のようなメリットがあります。
- 元本割れしない
- 中途解約しても、保有から1年以上経過していれば、元本割れしない
- 利回りは、最低でも0.05%
マイナス金利の影響で、銀行の普通預金金利が0.01~0.02%程度になる中、個人向け国債変動10年は、元本保証、および0.05%の利率保証があるため、相対的に魅力的な資産運用先と言えます。
SBI証券のキャッシュバックを利用すれば、さらにお得に!
個人向け国債は、SBI証券などの個人向け国債購入キャンペーンなどを利用することで、さらにお得に購入することができます。
例えば、SBI証券では、50万円の個人向け国債購入に対して、1,000円のキャッシュバック(100万円以上なら2,000円、200万円以上なら4,000円と金額に応じてキャッシュバック額が上昇)を行っています。キャッシュバック比率は、元金に対して0.2%と、金利と比べて、かなり高水準となっています。
参考 SBI証券の個人向け国債キャンペーンは、以下をご参照ください。
キャッシュバックは購入時のみですが、高いキャッシュバック比率は魅力的です。また、SBI証券は、ほぼ毎月国債購入キャンペーンを行っていますので、国債購入はSBI証券などで行い、さらにお得に購入することをオススメします。
外貨定期預金
相対的に金利水準の高い米国ドルなどの外貨へ預金を行うことも、マイナス金利下の資産運用で有効な手段です。
実際、マイナス金利導入後、日本の多くの銀行は外貨や外国債券への投資を加速するとも言われています。
日本円の形で銀行に資産を置いておいても金利水準が低いため全くお金は殖えません。
それどころか物価が上昇した場合、見かけの資産は減ることになります。
そのため、金利が1%程度かそれ以上ある、外貨で預金を行うことは非常に有効な手段です。
外貨預金は様々なサービスがありますが、SBI FX「積立FX」が最もオススメです。
FXと聞くとリスクが高い商品のように感じますが、このFX特有の短期売買を目的としたものではなく、FXのメリットを利用した外貨定期預金の類似的な商品となっています。
SBIFX積立FXのメリットには、以下の4つがあります。
- 為替手数料(スプレッド)が安い!
- 金利(スワップポイント)が魅力的な水準
- レバレッジを1倍~3倍の範囲で選択可能
- 資金の安全性(業者が破綻しても全額が保護)
- 積立は、毎月・毎週・毎日から選択が可能(時間の分散ができる!)
FX取引の特性を活かして、手数料の安さ、金利水準の高さを実現しています。
一般の外貨預金は1ドルあたり1円程度の手数料がかかりますが、SBIFX積立FXなら0.05円と超低コストです。
コストは投資家への確実なマイナスリターンとなるため低コストの運用を行うことは極めて重要です。
また、実際には外貨預金は預金保険制度(ペイオフ)の対象外なので、一般の銀行外貨預金には不安がありますが、積立FXは信託保全されているので全額が守られます。
このように、資産の安全面から見ても、優れた外貨預金商品です。
このようにFXトレードのノウハウを活かしたお得な外貨取引は、SBIFX積立FXのみとなっています。マイナス金利下では、日本円で資産を持っていても、円の価値は落ち、金利も落ちる一方です。この機会に外貨預金を始めてみるのも良いでしょう。(ちなみに、私もSBIFX積立FXで運用を始めてみました。)
SBIFX定期外貨取引(レバレッジ付き)のメリット・デメリット | |
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⇒ 口座開設(無料) | メリット
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デメリット
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国際分散投資
上述のように、少しでも高い金利水準の銀行預金に預けることは資産形成のためで重要ですが、投資を始めるという選択肢もあります。
物価の上昇政策が行われている中、銀行預金していると、実質の現金価値は下がる一方です。
マイナス金利による企業収益の改善やインフレを期待する場合、リスクをとった資産運用も一つの選択肢となります。
マイナス金利によるローン水準の低下により企業の借入金返済額は金利低下分少なくなります。また、市場に出回るお金が増えることにより、消費も喚起され、これも企業収益を上げる原動力ともなります。日本市場の上昇要因となります。
そこで、おすすめの長期資産形成を目的とした投資・資産運用法が インデックス投資です。
インデックス投資とは、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数に連動する投資方法です。
基本的に、株価指数に含まれる株式銘柄全てに投資を行うため、企業・銘柄の分散効果により、リスクを減らすことができます。
また、投資にかかるコストが安く、プロの投資家が運用するファンドよりも投資益が大きい傾向があります。
実際には、証券口座を解説後、ニッセイTOPIXインデックスファンドや日経225インデックスeなどのファンドを購入します。
SBI証券なら購入手数料無料で毎月最低500円から積立投資が行えます。
定期預金の代わりに、毎月小額から日本株式市場に分散投資を行うことができます。
また、ニッセイ外国株式インデックスファンドやたわらノーロード先進国株式を購入すれば、アメリカやヨーロッパなどの20カ国以上の先進国株式市場に低コスト分散投資が行えます。
三井住友・DC全海外株式インデックスファンドやバンガード・トータル・ワールド・ストックETFを購入すれば、先進国だけでなく新興国株式市場にも投資が行えるなど、超グローバル国際分散投資が行えます。
世界経済は年率3-5%程度で成長し続けているので、国際分散投資を行うことで、世界経済の成長にのり、長期で安定した資産形成を行うことができます。
このように、インデックス投資を行うことで、年率数%の資産形成の余地が生まれます。
短期的な視点に経ってしまうと、損をしてしまうことがありますが、長期でじっくり投資を行うことで、銀行預金よりは良い運用ができる可能性が高くなります。
すぐに投資を始めなくてもよいですが、これを機会に投資の勉強をしてみても良いでしょう。
投資を行うことで資産形成だけでなく、日々の世界のニュースに敏感になるというメリットも私はあると思います。
NISAなどもありますし、制度を有効活用した資産運用を始めてみるのも良いでしょう。
不動産や銀行セクターに分散投資
以上紹介したインデックス投資に加えて、投資中級者の方は、業種を絞った投資を行うのもオススメです。
例えば、不動産セクターへの投資です。
不動産業は、借入金の利子の低下により、不動産の調達コストの減少が企業収益を押し上げるためです。
そのため、国内不動産株式ETFに投資することにより不動産関連の企業の成長を享受することが期待されます。
不動産企業への分散投資を目的としたETF(上場投資信託)には、以下のようなものがあります。
ETFを使うことで、投資金が必要な超大型株式にも最低数万円で分散投資ができます。
コストは、投資家への確実なマイナスリターンとなり、投資パフォーマンスを悪化させさます。
そのため、不動産業種への投資は、信託報酬の安いダイワ上場投信・TOPIX-17不動産(1650)がオススメです。
ただし、売買高が少ないので、購入した時に、購入したい金額で変えない可能性もあります。
そのような場合、出来高のある本ETFを利用すると良いでしょう。
不動産関連企業でなく不動産自体に投資したい方は、不動産投資信託(REIT)を活用すると良いでしょう。
インデックスファンドであればたわらノーロード国内リートやニッセイJリートインデックスファンドが、ETFであればiシェアーズJリートETF(1476)がオススメです。
また、数年後の金融引き締め局面を狙って、利ざやの拡大により収益を拡大することが期待される銀行業セクターのETFに投資をしておくのも良いかもしれません。
銀行業セクターのETFには、以下のようなものがあります。
TOPIX-17銀行と東証業種別株価指数(銀行業)の違いは、TOPIXの業種区分けを17業種にするか33業種にするかの違いです。
銀行業に関してみれば、構成銘柄数や構成比にほとんど違いはなく、パフォーマンスの優位性もありません。
銀行業種への投資は、信託報酬が安く流動性の高い東証銀行業株価指数連動型上場投資信託(1615)がオススメです。
コストは、投資家への確実なマイナスリターンとなり投資パフォーマンスを悪化させるため、投資コストの安い商品を選ぶことが重要です。
また、1615は、出来高・流動性が高い点も評価できます。
紹介したETFの購入はGMOクリック証券がオススメです。
手数料が最安水準であるだけでなく、優待を使うことで手数料のキャッシュバックを行うことができます。
つまり、実質手数料無料となります。
また、NISA口座での売買は、常に売買手数料無料となります。
ここまで、紹介してきたように、マイナス金利下では、利回りが相対的に高い個人向け国債や楽天銀行預金などで無リスク資産の運用を行いつつ、リスクを取った運用を行うなどの運用方法があります。
皆様の考えに合った、運用方法をお試しください。