長期の資産形成において、複利効果を最大限活かすために、分配金・配当金の再投資は非常に重要です。しかし、現在日本では、非上場投信(インデックスファンドなど)の分配金自動再投資システムはありますが、株式・ETFの配当金の自動再投資システムはありません。
本記事では、米国で行われている株式・ETFの配当金の自動再投資システム「DRIP」を紹介します。
目次
分配金・配当金の再投資で、長期資産形成を加速
分配金・配当金の再投資は、長期の資産形成において重要です。分配金・配当金を原資にファンド・ETF・株などを買いますことで、さらなる複利効果が期待できます。
分配金・配当金の再投資方法
分配金・配当金の再投資方法や再投資のためのハードルは、買付金融商品によって大きく違います。ここでは非上場投信(いわゆるインデックスファンド)と株式・上場投信(ETF)に分けて説明致します。
非上場投資信託(インデックスファンド)の場合
非上場投資信託(インデックスファンド等)であれば、買付の際に「分配金再投資」を選択することで、分配金発生時に自動で再投資されます。再投資による購入手数料は無料です。複利効果を最大限発揮するため、ファンド買付の際は「分配金再投資」を必ず指定しましょう。
株式・上場投資信託(ETF)の場合
株式・ETFの配当金は、自動的に再投資するようなシステムはありません。再投資するためには、自分で配当金を用いてETF・株式を買い増さなければいけません。ETF・株式は、1回の売買で必要な最低高入金額が高いため(1回の買付に100株買ったりしなくてはいけにない)、一度の配当金では再投資ができないなどの弊害もあります。
まとめると、ETF・株式の配当金の再投資は、以下の2点からハードルが高いのが現状です。
- 配当金が発生したら、手動で再投資しなくてはいけない。
- 配当金と再投資額の調整が難しい。
ETFの配当金(分配金)の再投資方法の詳細は、以下の記事をご参照ください。
DRIPとは?
DRIPとは、Dividend ReInvestment Planの略で、株式・ETFの配当金・分配金を自動的に再投資するサービスです。このサービスを利用すれば、株式・ETFも配当金を無料で再投資することができます。これにより手動で再投資しなければいけない手間も省けますし、配当金と再投資額の調整もする必要がなくなります。
配当金が少ない場合はどうなるんだ?という疑問がでると思いますが、米国ではこのサービスを用いてることで小数点単位で株・ETFを保有できるようです。どういうことかというと、例えば、以下のようなETFを100株保有しているとします。
- 1株1000円で売買
- 1株あたり10円の配当金
この場合、100株保有していますので配当金として1000円貰えます。ただし、税金で20.315%もっていかれます。つまり実際に貰える金額は、797円となります。しかし、1株購入するのに1000円必要なので、普通であればこのETFは購入できません。しかしDRIPでは、0.797(=797円/1000円)株(小数点第何桁まで適用かは不明)を購入することができるそうです。
残念ながら、現在日本でこのサービスは受けられません。近い将来日本にもこのサービスが導入されることを強く願いたいと思います。しかし、詳しいことはわかりませんが、このシステムを導入する場合、証券会社よりももっと上のレベルでの対応が必要になるかもしれません。また、基本的に金融機関は、我々投資家の売買手数料で稼ぐので、もしかするとDRIP導入にはそこまで乗り気ではないかもしれません。
DRIPは日本人の投資行動までに影響を及ぼすか?
投資アドバイザーのカン・チュンドさんの記事を読んでいて、確かにそうかもと感じたのですが、DRIP導入により、日本人の投資への考え方が変わるかもしれません。本ブログの日本の歪んだ投信事情:米国ではインデックスファンドが優勢だが、日本では。。でもお伝えしたように、日本人は分配金が大好きです。その分配金を再投資していれば良いのですが、そういった方ばかりではないでしょう。
株式・ETFの配当金の再投資が可能になり、それによる複利効果を再認識することで、日本人投資家が長期投資を用いた資産形成に目を向けてくれたらと思います。NISAもさらに普及するでしょう!
そのためにも、DRIPの日本上陸を切に願います。
本記事のまとめ
- 配当金の再投資は、長期の資産形成(複利効果)において重要。
- 米国にはDRIPという配当金自動再投資システムがある。
- DRIPなら、配当金を無料で自動的に再投資できる。
- 日本への上陸が待たれる。日本の長期投資家が増えるかもしれない。
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