日本の歪んだ投信事情:米国ではインデックスファンドが優勢だが、日本では。。 | インデックス投資で資産運用

日本の歪んだ投信事情:米国ではインデックスファンドが優勢だが、日本では。。

最後まで読んでいただきありがとうございます。お友達にシェアや拡散していただけると嬉しいです。

スポンサーリンク

http://investment-by-index-invest.com/indexfand-in-japan-vs-america/

2015年5月30日の日経新聞および水瀬ケンイチさんのブログ記事で日米の売れ筋ファンドの違いが扱われていました。その違いから、米国投資家と日本投資家の運用意識の違いが見えてきます。

本記事では、それらの参考記事を基に、日米の投資の違いについて紹介いたします。

参考記事(本記事は以下の記事の情報を基に作成されています):

スポンサーリンク

目次

日米売れ筋投資信託の違い

以下の表は、日米売れ筋投資信託のベスト5を示したものです。(日経新聞電子版の記事から抜粋。)

日米の人気ファンドトップ5の違い(日経新聞)

以下、それぞれの項目(運用対象、投信のタイプ、人気の推移、コスト)別に解説します。

ポイント1. 運用対象:米国は株式・債券の王道。日本はREIT・ハイイールド債などマイナー資産

はじめの項目は運用対象です。米国投資家は投資の王道である株式・債券を運用の対象にしてます。一方、日本人投資家は、REITやハイ・イールド債などのサテライト資産を主な投資対象としています。後にも述べますが、日本人投資家がその時の流行のテーマに合わせて投資対象を変えているため、現在はREIT・ハイイールド債の資産が人気なのでしょう。しかし、これでは長期の資産形成は難しくなります。

投資対象・金融商品等については、以下の記事をご参照ください。

投資対象、金融商品(株式、債券、インデックスファンド、ETF等)の選び方


ポイント2. 運用タイプ:米国はインデックス運用。日本は毎月分配型のアクティブ運用

2項目目の運用タイプの比較に、日米の大きな違い(以下2つ)が現れています。

米国ではインデックスファンド、日本ではアクティブファンドが人気

米国では、低コストのインデックスファンドが人気ですが、日本では高コストのアクティブファンドに人気があります。欧米や日本の統計結果によると、アクティブファンドの7〜8割は、市場平均(インデックス)以下の運用成績しか残せていません。そのため、インデックスファンドを用いて、低コストで市場平均へ投資する米国投資家の行動は合理的と言えます。

インデックス運用とアクティブ運用の比較は、以下の記事をご参照ください。

インデックス運用が最強な理由「プロの投資家でも市場平均に勝つのは難しい」


日本では毎月分配型ファンドが人気。米国で人気ファンドは、毎月分配金型ではない。

米国投資家に毎月分配型ファンドが好まれないのに対して、日本の投資家は、毎月分配方ファンドを好む傾向が、表から分かります。毎月分配型投信の場合、不動産等の配当金以外にファンドの純資から取り崩して分配金に充てることがあります。また、分配金には税がかかりますので、複利効果による効率的な資産運用の妨げにもなります。

分配金と資産形成の関係については、以下の記事をご参照ください。

「分配金」はインデックス投資家の敵!?


ポイント3. 人気投信の推移:米国は人気投信は変わらない。日本の人気投資は入れ替わりが激しい

次の項目は、人気のファンドが5年前もトップ5に入っていたかどうかを表すものです。米国の人気ファンドは5年前も人気ファンドとしてランキングに入っています。それに対して日本の人気ファンドは、5年前も1つもトップ5に入っていません。日本の人気ファンドは、移り変わりが激しいということになります。

日経新聞の記事でも取り上げられていますが、その時人気のテーマに投資をする運用スタイルだと、高値掴みになりやすいことに注意が必要です。

ポイント4. コスト:米国は低コスト運用、日本は高コスト

最後の項目は運用コストです。投資信託の信託報酬を日米で比較すると、日本の信託報酬が圧倒的に高いことがわかります。最大で10倍の違いがあります。信託報酬は、投資パフォーマンスを低下させるため、複利効果による資産形成を妨げてます。

この違いは、日本の信託報酬が高いということが理由ではありません。日本の投資家が好んで選ぶアクティブファンドが信託手数料が高いことが理由です。日本でもインデックスファンドを選べば、信託報酬が0.5%以下のファンドはたくさん存在します。

投資にかかる手数料(信託報酬)の重要性については、以下の記事をご参照ください。

長期投資で重要な「信託報酬」とは?


おまけ:人気のバンガードシリーズ

米国の人気ファンドトップ5を「バンガード」、低コストインデックス運用を得意とするバンガードの強さを感じます。以下、海外ETFとして日本の証券会社から購入可能なバンガードETFを、3本紹介します。いずれもマネックス証券で、為替+売買手数料が最安です。

銘柄信託報酬(経費率)特徴詳細記事リンク
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF0.05%米国株式市場の時価総額の約100%をカバーするETF。信託報酬は驚きの年率0.05%です。バンガード・トータル・ストック・マーケットETFの詳細
バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF0.15%新興国23カ国の株式市場に投資するETF。新興国株式市場に投資するETFとしては驚きの低コスト、信託報酬0.15%です。ベンチマークがFTSEエマージング指数である点もおもしろい。バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETFの詳細
バンガード・スモールキャップETF0.09%米国の新興企業約1500銘柄に分散投資できるETF。次から次へと大企業に発展する米国のベンチャー企業群に投資できます。バンガード・スモールキャップETFの詳細
人気のバンガードETFの特徴

海外ETFの購入のための証券会社選びは、以下の記事をご参照ください。

おすすめ証券会社・証券口座【海外(米国)株・ETF編】


また、セゾン・バンガード・グローバルファンドを利用することで、世界銃の株式・債券市場に、バンガード社のファンドを用いて投資することができます。詳しくは、以下の記事をご参照ください。
http://investment-by-index-invest.com/fund-saison-vanguard-global/

ここまでをまとめると、

米国人投資家の多くは、低コストインデックスファンドを利用した長期資産形成を目的とする投資が人気。一方日本人投資家は、分配金を好み、コストを顧みず時代のトレンドに合わせた(高値掴みになりやすい)投資を好む傾向があります。どちらの運用スタイルが経済的に合理的か、また資産運用において良いか一目瞭然です。

こちらの日経新聞の記事の編集員は田村正之氏でした。田村氏は長期分散投資など個人投資家のための良著の著者です。以下田村氏の代表的な書籍を2冊紹介します。長期の資産形成。分散投資などを田村氏の視点を交えて学びたい方、ご興味のある方は、ご覧になってみてください。

  • 老後貧乏にならないためのお金の法則
    老後への備えを考え始めた方、老後生活に入っている方々向けに、賢い長期の資産形成の基本を解説しています。また、現在(2015年3月出版)の医療、保険、年金、住宅、相続税のことまでわかり易く解説されています。
  • しぶとい分散投資術―世界金融危機でわかった!
    インデックス投資を始める前に読みました。長期・分散投資の推奨本。多くのデータを分析し、その中からいかに長期投資・分散投資が優れているかを解説しています。

米国ではインデックス投資・運用の人気が年々高まっている

上に述べたように、現在米国では、長期の資産形成を目的とした低コストインデックスファンドが投資対象として人気があります。しかし、日本でのインデックスファンドのシェアは年々減少傾向にあります。以下は、モーニングスターETFカンファレンス2014から抜粋した「投資信託の純資産残高におけるインデックスファンドの比率の日米比較」です。

日米比較インデックスファンドの推移
*出典:モーニングスターETFカンファレンス2014

グラフを見て分かるように、米国でインデックスファンドのシェアが高まっているのに対して、日本は逆にシェアが下がっています。米国での投資法が全て正しいというわけではありませんが、日本の投資傾向が投資先進国とは逆の方向へ向かっていることが明白です。

個人的には、日本の投資家も、米国投資家同様、長期の資産形成を目的とし、低コストのインデックスファンド・ETFを用いたインデックス投資を積極的に行うのが良いと考えます。

インデックス投資を学びたい・始めたいという方は、以下の記事や書籍を参考にしてみて下さい。

本記事のまとめ

  • 米国では、低コストインデックスファンドが人気。
  • 一方日本では、REIT・ハイイールド債などのトレンドもの高コストアクティブファンドが人気。
  • 米国では年々インデックスファンドの保有率が高まっているが、日本はその逆。
  • 長期の資産形成においては、低コストのインデックスファンドが圧倒的に有利。

参考 現在行われている、お得な口座開設キャンペーンは、以下をご参照ください。

スポンサーリンク
レクタングル大
レクタングル大

最後まで読んでいただきありがとうございます。お友達にシェアや拡散していただけると嬉しいです。

フォローする。ブログ更新情報が受け取れます。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
レクタングル大

コメント

  1. Rose より:

    こんにちは。
    いつも更新楽しみに読ませていただいています。
    私は30歳の専業主婦で、家計の管理を私がしていることから、今は私名義の証券口座でインデックス投信に毎月積立をしています。
    先日、web上にある計算ツールで試算してみたところ、このまま毎月今の積立金額でを積立ていったとすると、60歳で評価額が2億ほどになるという結果でした。
    (結婚前にお互いに貯めた貯金を一括投資し、その後は毎月一定額積立)
    その結果を知り、にわかに相続税について気になり始めました。
    Ryotaroさんは、何か相続税対策などはされてますか?
    例えば、奥様も口座を開設し、毎月それぞれの口座で半分ずつ積立するなど。
    せっかく長い年月をかけて積立てた資産を道半ばで税金で持っていかれてしまうのは残された方の老後に影響するのではと、不安に思っております。
    (例えばはわたしが60歳で急死)
    相続税の節税対策などお考えでしたらご教授いただけると幸いです。
    どうぞよろしくお願い致します。

    • S.Ryotaro より:

      個別に追加質問をいただきましたので、個別に解答させていただきました。
      解答をご覧になりたい方は、ご連絡ください。