インデックス投資家育成塾シリーズの前回・前々回の記事では、我々一般人が投資型資産運用を行うための重要な3つのポイントを説明しました。そのポイントは、
- 安定、安全な資産運用を行うための「長期・分散投資」
- 長期間資産運用を続けられる仕組み
- 低コスト下での資産運用
でした。今回はこれら3つの条件全てを満たす最強・最善の運用法「インデックス運用」について説明します。
目次
本記事の要旨図
インデックス運用とは何か?
インデックス運用とは、市場の平均に連動するような運用です。日本株式のインデックス運用と言った場合は、日経平均株価やTOPIXなどに連動する運用のことを言います。
つまり、インデックス運用は、市場全体を買い、市場の成長に投資する運用法になります。日本株式インデックスであれば、日本経済の成長を、海外株式インデックスであれば、海外経済の成長に投資することになります。
「インデックス運用」で長期・分散投資
投資型資産運用で上なポイントの1つが「長期・分散投資」でした。長期分散投資の観点から観て、インデックス運用は、我々一般投資家に適していると言えるでしょうか?
長期の視点
長期という視点で、インデックス運用は非常に有用な運用法となります。
株などを購入する場合、その会社が今後長期で成長していくか、しっかりと調べることは非常に手間がかかります。そのため我々一般人にとっては、専門知識がない上、非常に時間を取られるため、現実的ではありません。しかも、知識をつけ、徹底的に調べたとしても、プロの投資家にとっても難しい世界ですので、やはり我々には難しいでしょう。
それに対して、インデックス投資は日本経済、もしくは世界経済全体に投資することになります。資本主義経済が一般的な現在の世界では、長期で見て経済は着実に成長すると言えます。また過去数十年の世界経済のインデックスを見ても着実に値を上げていることがわかります。
以下のグラフは過去30年間のNYダウ(世界経済に影響を与えるアメリカ経済の代表的なインデックス)の変化です。変動を繰り返しながらも、着実に成長していることがわかります。
(*)グラフは以下のリンクから得たデータをもとに、私が作成しました。
http://baseviews.com/chart/dow-ja.html
もちろん、過去のリターンが今後のリターンになるとは限りませんが、資本主義下における世界経済の成長を歴史が証明している良い例です。
分散という視点
分散という視点から見てもインデックス投資は非常に優れた投資先となります。
例えば、日経平均であれば東証一部の225銘柄に分散投資できます。TOPIXであれば、東証一部の全ての銘柄に分散投資することが可能です。
世界経済に投資するインデックスに投資すれば、さまざまな国のさまざまな株式銘柄、また債券に分散投資することが可能になります。
長期分散投資という視点で、インデックス運用が非常に優れていることがわかりました。しかし、これだけの分散投資を行うのは、手間がかからないのか?またはコストがかかりそう?と疑問を持つと思います。
手間のかからないインデックス運用
実は、インデックス運用は、手間もかからず、低コストで運用が行うことが可能です。
「分散しなくちゃいけないから手間がかかりそう!」
「いろんな国のたくさんの銘柄全部に投資するなんて、大変そう!」
という疑問を持つと思います。確かに、日経平均に連動するインデックスであっても225銘柄をある一定の比率で投資しなくてはならず手間がかかりそうです。
しかし、インデックス投資は、あとで紹介する投資信託やETFという金融商品を用いることで手間のかからない投資ができます。実際に、1つの投資信託やETFへ投資することで、投資したいインデックスに投資を行うことができます。
インデックス運用は低コスト
そして、実はインデックス投資は、運用コストを安く抑えることが可能です。ここからは、一般投資家がインデックス運用を行う際に使う、インデックスに連動する投資信託、ETFを購入する前提でお話致します。
「分散してたくさんの銘柄に投資するのだから、管理費用がかかるんじゃない?」
私も最初はそう思いましたが、実は管理費用はかなり安くすみます。それはインデックスのシンプルさ、わかりやすさにあります。投資信託会社からすると、インデックスに投資する場合、ある決められた銘柄を決められた比率買うという非常にシンプルな売買になります。そのため、コンピューターを用いて、一度銘柄と比率をセットすれば、ほぼ自動でインデックスに連動する商品を管理することが可能になります。そのため手間がかからず管理費を安く抑えることができます。
それに対して、インデックス(市場平均)を上回る運用を目指すアクティブ運用では、市場平均以上のパフォーマンスを上げるため、さまざまな会社を調査・インタビューしたり、複雑なコンピューターシミュレーションを行う等、運用が非常に手間がかかるため運用コストが非常に高くつく傾向にあります。
平均で、インデックスファンド(インデックス運用を行う投資信託)とアクティブファンドでは、管理費(信託手数料)が1%程違います。インデックス投資家育成塾シリーズの前回の記事で示したように、1%の手数料の違いは、30年後の投資成績に大きく関わってきます。
つまり、コストの観点からもインデックスファンドが非常に優れていることがわかります。株式の売買やアクティブファンドが購入にも手数料がかかるのに対して、インデックスファンドは購入手数料が無料(ノーロード)であることが多いことも特徴です。
本記事のまとめ
- 一般投資家が運用を行う上でのポイントを全て満たしている運用法が「インデックス運用」
- インデックスなら長期の世界経済の成長に投資できる。
- インデックスは、管理が簡単で低コスト。
- プロの投資家でも、インデックス運用のパフォーマンスには、なかなか勝てない。
次回からは「インデックス投資家育成塾:準備編」の連載です。
理論編で学んだ一般投資家のベストは運用法、インデックス運用を始めるための準備に関して説明いたします。
準備編:第1節↓
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